中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

教育について

悩む母へのアドバイス 高校受験を見据えて小学生のうちからやるべき学習とは?

今回は、中学受験をしない子に対する、学習のアドバイスです。 1.中学受験は必須ではない 2.大事なのは学習習慣 3.時間の使い方の大切さ 4.何をやればよい? (1)英語 (2)理科・社会 (3)数学はいいのか? (4)国語はいいのか? 1.中学受…

悩む母へのアドバイスシリーズ 受験に後ろ向きな子どものやる気の引き出し方 part3

実は、 前回・前々回と続いたテーマの完結編です。 peter-lws.hateblo.jp 前回、受験に後ろ向きな子どもに悩むご家庭の相談について、「これなら子ども本人に話をしなくても大丈夫だろう」と書きました。 全てがうまく運べばその予定だったのですが、実はそ…

国語を教えるコツって何?

昔の教え子が、相談があるといって訪ねてきました。今年大学生になった子です。何やら、深刻そうな顔をしています。 「どうした?珍しいね。」 「ちょっと教えてほしくて。」 「何? 恋愛相談以外ならのるよ。」 私のくだらない返しはスルーされました。 「…

五節句を知らない子ども

最近気が付いたことがあります。 今の子は、五節句を知らない! 入試問題を解かせていたところ、節句について答える問題があったのです。 すると、見事に知らないのですね。 まあ、これは予想の範囲内ではありました。小学生ですから。常識が無いのはわかっ…

勉強を嫌がる子に受験させることはできる?

今回は、実際にあったご相談を紹介します。 ※個人情報保護の観点から、当事者が読んでも自分とわからないレベルまで書き換えていますが、相談内容は変えていません。 1.お母様からのご相談 2.お父様との話 3.子どもとの話 4.私の見立て 1.お母様か…

教えやすい教科、教えにくい教科

大学生になった教え子から相談を受けたのです。 「先生、今度塾でバイトしようと思ってるんだけど。」 「そうか。事務のバイトかな? それともまさか?」 「講師のバイト。」 「おお! まあ、君は先生向きだとは思うよ。」 「どうして?」 「だって、勉強が…

教えることが最良の学びであることを教師は皆知っている

今回は、私が日頃から温めている新しい勉強スタイルについて書いてみたいと思います。 まだまだ生煮えのアイデアで恐縮ですが、こうして書いてみることで私自身頭を整理したいのです。 1.教わるより教えるのが好きな子も多い 2.母親を生徒替わりにして理…

全寮制学校ってどうなんだろう?

今回は日本における全寮制学校について少々考えてみたいと思います。 例によって私の独断と偏見に満ちた主観にすぎませんので、そのつもりでお読みください。どの学校を持ちあげるつもりも貶めるつもりもありません。 1.パブリックスクールの日本進出 2.…

リベラルアーツのすすめ

今回は、前回に引き続き、教養について考えてみたいと思います。 peter-lws.hateblo.jp 1.リベラルアーツとは 2.リベラルアーツを学べる大学 ICU 東京大学 秋田国際教養大学 山梨学院大学(国際リベラルアーツ学部) 3.教養とは? 1.リベラルアーツ…

知識と常識と教養の隙間

私は常識のある人間ではありません。さほど教養もありません。ただ、仕事柄、小中学生よりは少しだけましな程度です。 しかし、最近私の考えている「教養」「常識」の範囲がゆらいできたので、今日は徹底的に知識・常識・教養について考察してみたいと思いま…

思いやりの育み方:いじめ問題へのアプローチ

いじめ問題というのは、昔も今もなくなることのない問題です。 この問題の深刻かつ厄介な点というのは、いじめであるかどうか、そしていじめの深刻度の程度というものが、当事者によって全く異なるということにあります。 ジャイアンが同じようなきつい言葉…

実例から考える 中学入試を成功に導く親子の距離感とは?

中学入試を成功に導く親子の距離感について、実例を見ながら考えてみたいと思います。 1.親子の距離感は難しい 2.ケーススタディ (1)エピソードその1 甘やかしすぎてしまった場合 (2)エピソードその2 子供を尊敬する親の場合 (3)エピソードそ…

教育はサービス業か? 学校選びの基準を考える

最近、卒業生の保護者の方と学校について話をしていて違和感を感じることが多くなりました。 「うちの学校は〇〇だ」 この「〇〇」の部分には、あらゆる不満が入ります。 ・施設が古い ・ICTへの対応が遅れている ・キャリア教育をしてくれない ・英語科にネ…

リモート授業ってどうなんだろう? 授業をやる立場から考察

最近リモート授業を行う塾が増えてきました。 かくいう私も行っています。 今回は、「リモート授業を行っている」立場から、リモート講座の長所・短所、そして効果的な利用法について考えてみます。 1.個別指導と集団指導の違い 2.リモート授業の種類 (…

プログラミング教育の必要性を考える

このテーマについては、いつかきちんと整理しておこうと思っていたのです。 世の中に「プログラミング教育」というワードが広がってきたのはいつごろからなのでしょうか? 少なくともみなさんんが小学生の頃はなかったはずです。 しかし、すでに小学校でも必…

小学生向けの通信教育教材の選び方

子どもが幼稚園や小学生低学年のうちは、塾に通わせるつもりが無いご家庭も多いと思います。むしろ多数派でしょう。 しかし、将来中学受験を考えている場合、塾に行かなくても家庭で勉強できる通信教育は気になりますね。 今回は、そんな通信教育について検…

信じてあげて: 子供のカンニングとの向き合い方

うちの子がカンニングをしているといわれました。どうしたらいいでしょうか? こう相談されたことがあります。 ううん、難しい問題ですね。 今回は生徒のカンニングと対処法についてまとめてみたいと思います。 「うちの子はカンニングなんかと無縁だから」…

子どもが自主的に受験勉強に取り組むようになるのはいつなのか?

1.自主的に勉強に取り組む子はいない 2.幻想を捨てよ 3.勉強は習慣である 4.目覚める時期 5.結論 1.自主的に勉強に取り組む子はいない 「先生、うちの子は、いつになったら自分から勉強に取り組むようになるんでしょうか?」 もしかして、これが…

中学や高校の選択と東大への合格実績の関係

毎年4月頃になると、高校別の東京大学合格者数のデータが週刊誌をにぎわします。 今年ももうそろそろですね。 本年のところ、私はこうしたランキングはあまり好きではありません。 何も東大ばかりが大学ではないですし、目標ではないと思います。 まして、中…

語彙力の重要性と身に着け方

語彙力はその人間の教養を表す 語彙力って大切ですよね。 語彙がとぼしいと、文章が理解できなかったり、自分の言いたいことが言えなかったりします。また、相手に「教養がないな」と思われてしまうかもしれません。 まさに語彙力はその人間の教養を示します…

中学入試を成功に導く 子供への上手なしかり方

お子さんが中学入試を目指して勉強している保護者の皆さまに聞きたいことがあります。 最近、子供を叱ったことはありませんか? つい感情的に怒ってしまったことはありませんか? 子供のしかり方というのはとても難しいと思います。 まして、中学入試という…

今さら聞けない 中学受験超入門04 小学校の勉強はできるのです

子どもが小学校に上がるころは、そのまま地元の公立中学でいいと思っていた。うちは中学受験なんてとてもとても。でも、周囲からの噂を聞くと、どうもそれではいけないらしい。そこで中学受験を考えはじめたのだけれど。 こうした段階でご相談を受けることも…

中学生の子どもが赤点をとってきた! どうすればいい?

せっかく子どもが憧れの中学校に合格し、楽しく通学していたのに、定期試験で赤点をとってきた! どうしたらいい? こんなご相談をうけました。 中学受験をする子どもたちは、みな優秀です。小学校では勉強で無敵っだった子ばかりです。そして進学した中学校…

今さら聞けない 中学受験超入門03 中学受験ってどんな世界? part.3

今回は、こんな素朴な疑問について書いてみます。 「中学受験する家庭って、やっぱり〇〇なんでしょ?」 1.中学受験する家庭って、やっぱりお金持ちなんでしょ? 2.中学受験をする家庭って、やっぱり両親とも頭が良いのでしょ? 3.中学受験をする家庭…

今さら聞けない 中学受験超入門02 中学受験ってどんな世界? part2

前回の記事の続きです。 前回は、「父親の経済力」と「母親の狂気」という漫画のセリフから中受にまつわる費用について書きました。今回は「母親の狂気」という、とても失礼なセリフから考え始めましょう。そもそも「2月の勝者」という漫画を知らなければ何…

今さら聞けない 中学受験超入門 01 中学受験ってどんな世界?

先日ある保護者からこう聞かれました。 「私も夫も地方の公立出身なので、中学受験のことが全くわからないのです。東京ではみなさん塾に行かなくてはならないのですか?」 この世界にどっぷりと浸かっていて、すでに中学受験について様々な情報を持っている…

良い教師・良い授業の条件

塾における良い教師・良い授業とは? 皆さんのご記憶の中に、思い出に残る先生はいらっしゃいますか? 残念ながら、私にはそうした出会いはありませんでした。もちろん、小学生から大学生までの学生時代の様々な段階において、素晴らしい先生方に教えていた…

無理をしての進学よりも、成績に余裕をもった学校への進学のほうが良いのか?

以下の内容をよく相談されます。 「無理してレベルの高い学校にぎりぎりで合格するより、余裕をもって合格できるレベルの学校で成績上位でいるほうがいいですよね?」 この問いは、中学に入学した時点での成績・順位というものは、6年後の大学受験時にも変…

大学統合と教育の未来(2024.3.21加筆修正)

※2024.3.21加筆修正 最近大学に関して気になるニュースがいくつもありました。 2023年から2024年にかけて気になった出来事をいくつか取り上げてみたいと思います。 1.学習院大学と学習院女子大学の統合 2.女子大の不人気について (1)規模が小さい=学…

中学受験においての公立小と私立小の選択の意味

1.そもそも質問の方向性が間違っているかもしれない 2.私立小といってもさまざま (1)大学まで(ほぼ)全員が進学する学校 (2)大学までの進学者が多くはない学校 (3)中高はあるのに、ほとんどが外部受験する私立小 ◆洗足小について 3.中学受験…