中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

今さら聞けない 中学受験超入門05 まず何から始めればいい?

今回は本当の入門編です。

中学受験をしようと決断しました。まず何から始めればいいのでしょうか?

この疑問に答えていきたいと思います。

 

1.テストを受ける

 最初にすべきことは、テストを受けることです。

お子さんの現状を把握しなければ、これからどのように勉強していくべきなのかがわかりません。

残念ながら、小学校の成績は何の参考にもなりません。

小規模なテストも無意味です。少なくとも受験人数が1000人以上(できれば5000人以上)の規模の試験を受けましょう。

受けるべき試験は、以下のとおりです。

 (1)四谷大塚

 ◆公開組み分けテスト・・・4・5・6年対象

 このテストは、四谷大塚の会員として日ごろ予習シリーズで学習している生徒が5週に一度受験しているテストを一般にも公開しているものです。

【メリット】・・・四谷大塚会員と比較して、自分の立ち位置がわかる

【デメリット】・・日ごろ四谷大塚で学習している生徒が明らかに有利なテスト

まあこのメリットとデメリットは表裏一体ですね。四谷大塚という塾に入ったとして、わが子がはたしてどれくらいの立ち位置にいるのか? これを知るためのテストです。

もちろん四谷大塚に入る気がないとしても、これだけの受験生規模のテストはそうたくさんはありませんので、受験する意味は多いにあります。

※注意

 四谷大塚は、本部が直営している教室の他にもたくさんの提携塾が存在します。このテストはそうした提携塾でも受験が可能ですが、その場合は、その提携塾にお子さんの個人情報を渡すことになります。提携塾によっては、その後の勧誘が相当熱心(執拗)だと聞きますので、そうした勧誘を好まないご家庭は、提携塾での受験は避けたほうがよろしいでしょう。

 ◆合不合判定テスト・・・6年対象

 このテストは昔からある、いわば老舗?のテストですね。自前のテスト体系をもたない塾が、6年生の志望校決めの参考資料として、自塾の生徒を受けさせる場合が多いです。しかし、これから中学受験を考えようとしているご家庭はさすがに6年生のこのテストでは遅すぎます。

 (2)日能研

 ◆実力判定テスト・・・4・5・6年対象

 日能研が全国規模で実施しているテストはこれだけです。その他には、6年生対象のテストも多数ありますが、ここでは割愛します。

 日能研の特徴としては、教室数の多さがあげられます。とくに神奈川エリアが充実していますね。また、受験生の層も幅広いのが特徴です。

 (3)SAPIX

 ◆実力診断サピックスオープン・・・4・5年生対象

 ◆志望校診断サピックスオープン・・・5年生対象

6年生を除くと、公開模擬試験の位置づけのテストはこれだけです。

この他には、「入室テスト」という名称のテストがあり、そのうちの何本かはすでに入室している生徒も同日に同じテストを受験するため、偏差値データが出されます。SAPIXでの立ち位置を知るのには役立つでしょう。

ただし、受験生のレベルが高く問題の難易度も高いので受験には注意が必要です。

※注意

 「入室テスト」の中には、外部の生徒しか受験しないものもあります。その場合は偏差値データが算出されませんので受けてはいけません。

 また、「入室テスト」という名称ですが、必ずしも入室を前提としなくても受けられます。この塾は生徒勧誘があっさりしていることで定評がありますので、入室の意志確認の電話が1回かかってくるだけだと聞いています。

 

以上が、いわゆる三大塾の実施している公開模擬試験です。

そのほかには、このテストもあります。

 (4)首都圏模試

「首都圏模試センター」という、いわば「テスト屋」さんが実施しているテストです。

 ◆合判模試・・・小4・5・6対象

 ◆中学受験スタート模試・・・小3・4・5対象

この模試の特徴および注意点は以下のとおりです。

 〇受験人数が多い・・・全国の中小塾がよく利用していますので、受験人数は多いですね。

 〇特定の塾の色がついていない・・・あくまでもテストだけですので、塾の勧誘などがありません。ただし、どこかの塾経由の受験の場合はその限りではありません。

 〇自宅受験が可能・・・すごいですね。自宅での受験が可能だそうです。

 〇受験生層の学力が高くない・・・三大塾の模試と比較すると明らかに受験生の学力が高くありません。したがって偏差値データは高くでます。

 お子さんの学力レベルが不明な場合の受験は効果的ですが、もしこの模試で偏差値が60以上でるようなら、三大塾の模試に切り替えるべきでしょう。

 

 (5)低学年(1~3年)のテストについて

 低学年のうちのテスト受験はあまり意味がありません。小学校受験(いわゆるお受験)の経験者かどうか、先取学習をしていたかどうか、テスト慣れしているかどうか、そうした要素が点数に反映しがちだからです。受験するのはかまいませんが、その後の学習の参考にはあまりなりません。

 (6)無料テストについて

 多くの塾が無料のテストをあれこれ実施しています。私の知る限り、無料テストが皆無なのはSAPIXくらいでしょうか。

 こうした無料テストは、これから中学受験を検討する際に受けたくなる気持ちはわかります。

 「まだ本格的に受験するかどうか決めていないから」

 「とりあえず無料だから受けてみようか」

 しかし、まったくお勧めできません。その理由は以下の通りです。

◆テスト受験生の層が中受の層と一致しない

 中学受験など考えていない方々が、無料につられて受ける場合があります。そうした受験生の間での立ち位置の把握は無意味です。

◆テストが無料なのには訳がある

 多額のコストがかかるテストを無料にする理由は1つしかありません。執拗な勧誘は断れば済む話ですが、そうした塾に子供の個人情報を渡すことに覚悟が必要です。

模試の選び方についてはこちらに詳しく書きました。

peter-lws.hateblo.jp

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2.学校を見に行く

 まずは学校を見ないことには何も始まりません。ご近所の噂話やママ友情報など、学校についてはすでに様々な話を聞いているかもしれません。ポジティブな情報もネガティブな情報もありますね。

まずはそうした「先入観」を捨てて、フラットな気持ちで学校を訪れましょう。

 〇学校説明会

 〇オープンキャンパス

 〇文化祭

できれば、学校の責任者である校長先生が何をどのように語るのかを知りたいので、説明会に行きましょう。

学校訪問の服装についてはこの記事が参考になるでしょう。

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最初の段階の学校訪問については、知名度やブランド、偏差値にとらわれずにたくさん行くことをお勧めします。

そうはいっても何の基準もないとどの学校に行くべきか悩むかもしれません。その場合は、自宅近く=通学距離・時間が短い学校から見ていきましょう。

もしお子さんが通学することになると、6年間通う学校です。あまりに遠い学校は避けたいですよね。まずは通学しやすそうな学校から学校訪問をはじめましょう。

 

3.学習習慣を確立する

 塾に入れる前にまだやることがあります。それは子供の学習習慣を確立することです。これができないと、小6の受験前日まで、親が横に付きっ切りで見張っての受験になり、親子ともども疲弊します。

 お子さんの生活習慣を見直し、受験勉強(あるいは通塾)にどれだけの時間をさけるのか、確認します。週2回のサッカーは止められないのに、週5日拘束の塾に入れると悲劇しかまっていません。また、とくに習い事もなくて学習時間は豊富なのに、週1回のゆるい塾に行ったところで、さほどの成果はあがらないでしょう。無理のない範囲で(でも少しだけ無理をさせて)お子さんがどれくらいの時間を受験勉強に割けるのかをきちんと把握することは大切です。

4.覚悟を決める

 少し脅すような表現で恐縮です。しかし、中学受験を目指す場合には、親子ともども覚悟が必要なのです。その覚悟とは以下のものです。

◆お金の覚悟

 中学受験にはお金がかかります。「何とかなるだろう」という気持ちではあとに苦しい状況になるかもしれません。

このあたりについては、こちらの記事をぜひお読みください。

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◆遊びを捨てる覚悟

 小学生のころなんて、学校が終わったらランドセルのまま近所の公園で暗くなるまで遊んでいたものだ。もしそんな「昭和の価値観」をお持ちなら、それは捨てましょう。そもそも今時の小学生は塾や習い事で忙しく、近所の公園で暗くなるまで遊んでいる子はほとんど見かけなくなっています。第一危険です。

 中学受験というのは、小学生の隙間時間をどう活用するかの戦いです。隙間時間とは、小学校に行く時間・学校の宿題をやる時間・家庭生活の時間 以外のすべての時間を意味します。週末はもちろん、ゴールデンウィークや夏休み、お正月まで塾の講習があり、勉強に埋め尽くされます。「受験するのだからそれは当たり前だ」との覚悟がないと、後々親子の関係が悪化します。

◆地域とのつながりを絶つ覚悟

 これは少々大げさな言い方ですね。別に積極的に絶つ必要があるという意味ではありません。気が付いたら縁があまりなくなっていた、そういう意味です。

 中学受験をしない場合、地元の小学校→中学校、ここまでの9年間、近所の友達と経験と時間が共有されます。その後公立高校に進学すると、同じ中学校出身の同級生も少なくはないでしょう。仮に離れたとしても、中学校まで友に過ごした仲間とは何かとつながっているものです。特に昨今はSNSがありますので。

成人式の式典に行くと、出身中学校単位で集まるのはそれが理由です。

中学受験をすると、こうしたつながりが途絶えます。

もっとも、その代わりに「塾友」ができます。多様な中学に進学した後にも、時々集まっているとはよく聞く話です。もちろん、中高6年間(場合によっては大学まで10年間)をともに過ごす生涯の友が得られるというメリットは当然です。

◆親(家族)が犠牲を払う覚悟

たとえば、毎年家族旅行に行っていたとして、子どもの中学受験期間の2~3年ほどは家族旅行に行く機会がなくなります。大人はいいとして、兄弟がいると巻き添えですね。別に受験生に腫れ物に触るように気を遣う必要はありませんが、家庭内が静かになったとは聞く話です。これを犠牲と考えるか、応援と考えるかはご家庭方針次第です。

5.塾を選ぶ

 ここまできて、はじめて塾を選ぶ段階になります。

塾選びについては過去にいろいろ書いていますのでぜひお読みください。

塾無し受験のやり方についても書いています。

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