中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中高一貫校】制服の無い学校

ほとんどの中学校に制服はあります。

そうした制服を着ることに憧れて受験する生徒も大勢います。

都内最難関のO学園を志望(後進学)した生徒の親が嘆いていました。

「先生、うちの子は、O学園の制服が素敵!と言うのです。センス無いですよね?」

確かに古めかしい制服ではありますが、伝統を感じさせて私は良いと思うのですが。

お母様としては、わが子にもっと「キラキラ」した可愛い制服を着せたかったようですね。

制服をリニューアルする学校も多いですね。

そうすると志願者が増えるのだそうです。

中高生活に大切な制服ですが、そもそも制服の無い学校というのも少しだけ存在します。

制服の無い学校・・・共学校

東京大学教育学部附属中等教育学校

東京学芸大学附属小金井中学校

◆玉川学園中学部

慶應義塾中等部

成城学園中学校

自由学園中等部

国立音楽大学附属中学校

公文国際学園中学部

千葉大教育学部附属中学校

 

一都三県でみると、これくらいしか思いつきません。

以外と少ないですね。

もっと多いかと思っていました。

ただ、完全に自由というわけではない学校が大半です。

◆式典・行事の際には基準服を着ること

◆バッジを常につけること

ジーンズは避けること

これは、慶應義塾中等部のルールです。

ジーンズがNGって、不便ですね。中高生には便利な服なのに。どうしてでしょう?

そういえば、昔昭和女子大学(大学です!)でジーンズを履いていた生徒が教室から追い出されて問題化したニュースがありましたね。

さらに慶應中等部のHPを見ると、制服についてはこのように書かれています。

🔗慶應義塾中等部

【基準服】

中等部には、 ふだんの登校のとき必ず着なければならない、 制服はありません。 中等部の服装に 対する考え方は、 自己の判断、 あるいは家庭の協力によって年齢にふさわしい、 しかも個性を生か した服装をするということにあるといえます。 ただ、 それにはその判断のよりどころとなるものを 与えねばなりませんし、 中学生という年齢層の少年少女には、 時には、 はっきりした基準を示さな ければなりません。 それが、 中等部の基準服ということになります。

○男子 指定のスーツ・ネクタイ・白のシャツ・黒靴・ダーク系または白の靴下
ただし入学式・卒業式・音楽会はダーク系の靴下
(夏は白のシャツ・ノーネクタイ・グレーのスラックス・他は同じ)

○女子 指定のスーツ・白のブラウス・白のハイソックス・黒靴
(夏は白のブラウス・グレーのスカートまたはスラックス・他は同じ)

 おや?

けっこう厳しそうですね。

この基準服というのはグレーのスーツで、男子はあまり印象にないのですが、女子はダブルのジャケットが印象的です。

昨今、女子の制服はチェックのスカートが席巻している中でグレーのスカートは逆に目立ちます。「大人っぽい」基準服と言えるでしょう。

 

◆女子は襟・袖が付いた衣類

これは、成城学園です。ところでこの学校は男子だけ制服があるという謎のルールです。

◆標準スカート15種からチョイス

これは玉川学園です。ここも男子のみ制服があります。

◆中学生が学校生活を営むに相応しい品位ある服装

これは学芸大学小金井のルールです。曖昧で悩みそうですね。

 

制服の無い学校・・・男子校・女子校

麻布中学校

武蔵中学校

立教女学院中学校

女子学院中学校

恵泉女学園中学校

筑波大附属駒場

 

こちらも、予想以上に少ないです。

とくに男子校はもっと多いと思っていました。

 

◆校章をつけること

これは女子校3校に共通しています。ただし女子学院の生徒に聞くと、服に穴が開くのが嫌で、みなやがてつけなくなるとか。

恵泉は、ペンダント、バッジ、ピンバッジの3タイプが用意されているそうです。抜かりないですね。

◆華美でない清潔な服装

これは恵泉ですが、「華美」の判断基準はどのあたりなのでしょう。

◆流行に左右されず質素清潔であること

これは立教女学院です。意図はわかりますね。

◆スカート限定

これも立教女学院です。このルール、今後は変えざるを得なくなると思います。

◆標準服あり

これは麻布です。なんでもあり?のイメージが強いこの学校に、標準服が存在することのほうが驚きです。ただし購入も着用も自由ということで、着用機会は6年間で2回という噂もありますね。まあ、着たい生徒はお好きに自己判断でどうぞ、ということなのでしょう。

◆昔の制服あり

これは女子学院です。昔の制服(セーラー服)を作ってくれる店があるそうで、自主的に作る生徒が多いそうですね。入学式では9割ほどの生徒が着ているようです。ただし、あくまでも自主的な制服という位置づけなので、強制力はゼロです。この学校は髪色も自由なので、とんでもない髪色の生徒も散見されます。

 

番外編 制服のない高校(東京)

 高校は意外と多いのです。

 

 桐朋高等学校       

 中央大学付属高等学校   

 国際基督教大学高等学校  

 早稲田大学高等学校    

 成城学園高等学校     

 目黒日本大学高等学校   

 郁文館高等学校      

 明星学園高等学校     

 国立音楽大学付属高等学校 

 関東第一高等学校     

 郁文館グローバル高等学校 

 日本学園高等学校     

 松蔭大学付属松蔭高等学校 

 北豊島高等学校      

 和光高等学校       

 NHK学園高等学校     

 科学技術学園高等学校

   

 筑波大学附属高等学校   

 筑波大学附属駒場高等学校 

 東京工業大学附属科学技術高等学校 

 東京工業高等専門学校  

桐朋はおもしろいですね。中学は制服があるのに高校はありません。

筑波大附属も同様です。

ICUはイメージ通りです。

都立高校にも私服の学校はたくさんあります。一部紹介します。

 

 西高等学校      

 国立高等学校     

 戸山高等学校     

 青山高等学校     

 立川高等学校     

 駒場高等学校     

 新宿高等学校     

 竹早高等学校     

 町田高等学校     

 豊多摩高等学校    

 北園高等学校     

 都立上野高等学校   

 昭和高等学校  

 

制服の無い理由

 

◆生徒の自主性を重んじる

◆服装を自分で考えることも教育の一環である

◆貧困家庭への配慮

◆制服に価値を感じていない

 

制服を定めない理由としてはこのようなものが考えられるでしょう。