今回は、私が実際に使ってみて、とても良かった参考書を紹介します。
これです。
「塾技100 算数」(文栄堂)
文栄堂といえば、「Σベスト」の参考書シリーズをよくみます。
この「塾技」シリーズは、このほかにも
◆中学入試 理科 塾技100
◆中学入試 国語 塾技100
◆塾で教える高校入試数学 塾技100
◆塾で教える高校入試理科 塾技80
◆塾で教える高校入試英語 塾技63
といったものがあるようですね。
高校入試のものは、私は確認していないのでコメントできませんが、中学入試のものとしては、この算数編が一番おすすめでした。理科・国語については、とくに「技」というほどのものは感じられませんでしたので。
それでも、どちらもよくまとまった本であることは間違いありません。
さて、この本のおすすめポイントは3点あります。
おすすめポイントその1 目次がわかりやすい
学年ごと・分野ごとの目次ではなく、シンプルに項目が100個並んでいるだけです。
こんなかんじのほうが探しやすく使いやすいですね。
おすすめポイントその2 構成が見やすい
見開きで1項目です。
左側に解説と例題、右側に問題という構成です。
問題は、どれも入試問題ですが、標準問題と発展問題に分かれています。
標準問題・・・「入試問題で塾技をチェック」
発展問題・・・「チャレンジ! 入試問題」
という構成です。
そしてこの標準問題、「入試問題で塾技をチェック」の問題は例題扱いですので、そこには解答・解説も載っています。
いちいち別冊の解答・解説編をみなくても、この標準問題レベルなら、見開きの状態で例題の演習が完結することになります。
このスピード感はいいですね。
おすすめポイントその3 解説が詳しい
本文ページが約200ページに対して、解答解説ページが100ページです。
本文ページの半分は解説ですので、実質、問題と解答解説が同じ分量、といいたいところですが、解答・解説編は「チャレンジ! 入試問題」の問題文と解説がのせられていますので、かなり丁寧な解説になっています。
また、問題と解説が載っているということは、この別冊編だけで、発展問題の問題集として機能します。
また、その解説も、過不足なくまとまっており、解法もオーソドックスなものとなっています。
ウィークポイント
あまりないのですが、あえていえば以下の4点でしょうか。
◆問題数は多くない
◆これ1冊で受験算数を全て網羅しているとはいえない
◆基本問題はないので、ゼロから自学自習で取り組める本ではない
◆「技」というほどの技が披露されているわけではない
とくに、これ1冊で受験算数を網羅しているわけではないことに注意が必要です。
×計算練習はフォローしていない
×基本問題の練習もない
×難関校のレベルまでは載せられていない
これらについては、他の教材やドリル演習が必要になると思います。
もし私がこの教材を主軸に指導するとしたら、このような指導になるかと思います。
◆毎日1ページのようにひたすら計算練習ドリルをやらせる
◆基本問題の解説を行い、徹底的な練習問題トレーニングをする
◆本書を使って、標準&応用レベルまでの指導をする
◆過去問を使って志望校レベルまで持ち上げる
つまり、この本は、真ん中の部分を担うことになると思います。
塾の教材(あるいは市販教材)と授業で、基本的な算数の問題の解き方は習っている生徒が、もう一段階ステップアップするときに役立つ教材だと思います。
この教材のレベルで、中堅校までなら対応できると思います。
※とくにこの本でなければ、というわけではありません。ちなみに、私は文栄堂の回し者ではありません。
参考書・問題集には、相性がありますね。なんだか取り組みにくく感じるものもあれば、気が付けば3周くらいやりこんでボロボロになっているものもあるでしょう。
私はあまり「カラフル」で「親切すぎ」て「イラストがたくさんある」ものは嫌いなので、これくらいのシンプルなものが気に入りました。