みなさんはプリンターはどんなものをお使いでしょうか?
今回は、中学受験に役立つ、プリンターの選び方について記事にします。
※この記事では、レーザープリンターにLEDプリンターも含めます。
使う分には、区別がつきませんので。
よく使われている機種
中学受験関連のブログでは、「中学受験三種の神器」として、A3対応のインクジェット複合機を薦めている方がほとんどです。というより、ほぼ全員がこれを薦めています。
選択肢としてはエプソンとブラザーになるのですが、ブラザーのものが人気のようですね。
◆A3スキャン&プリント
◆2段トレイ
これを供えた機種が、4万円代で買えるのです。
良い時代になったものです。
しかし、私はお薦めしたくないのです。
それは、私が天邪鬼だからという理由だけではありません。
私がインクジェット複合機をお勧めしない理由
お薦めしない理由その1
複合機には致命的な問題があります。
スキャナー部分か、プリンター部分か、かならずどちらかが先に壊れるのです。
経験上、プリンターが先にダメになりますね。
そうすると、ただの「大きすぎるスキャナー」が残ることになるのです。
お薦めしない理由その2
インクジェットプリンターには致命的な問題があります。
必ずインクが詰まるのです。
ノズルクリーン機構もついていますが、気休めですね。大量のインクを消費するだけで抜本的な解決にはなりません。
よく、純正インクなら大丈夫だとも聞きますが、そんなことはありません。
毎日使っているとインク詰まりしにくいともいいますが、そうそう毎日プリントするものもないのです。
「そんなに使わないから安いものにしよう」と考えてインクジェットを選ぶと、使わない間にインクノズルが目詰まりして、いざ使用とするときに使えません。
高価な機種も安い機種も同じです。
私は、このインク詰まりによりまともにプリントできなくなったため、過去10台近くのインクジェットプリンターを捨ててきました。
そしてついに決断に至りました。
もう二度とインクジェットプリンターは買わない!
お薦めしない理由その3
インクジェットプリンター、妙に安いですね。
スキャナーまでついているのにこの価格。あきらかに製品と価格が見合っていません。
これが、いわゆる「インク商法」とよばれるものなのはご存じかと思います。
本体を安く販売し、高価な純正インクで利益をあげるビジネスモデルです。
純正インクを使わず、互換インクを使うと保証が切れることになっています。
◆高価な純正インクを使うのか
◆保障切れ覚悟で安い互換インクを使うのか
この2択を迫られます。
経験上、安い互換インクでも問題なかったですし、高価な純正インクでも別にプリンターが長持ちすることもありませんでした。
そもそもメーカー保証は1年となっています。
何だか、「スマホ商法」とも似ていますね。
通信サービス会社(AU/DOCOMO等)では妙に安い価格でスマホを売っています。
1円スマホなどとよばれています。
もちろん周知のように、回線使用料で儲ける商法です。
私はそれが嫌なので、スマホは正規販売店で定価で購入し、別途MVNOと契約しています。
高価なスマホを買っても、だいたい2年以内で元がとれますね。
通信会社がどれだけ高利益をあげているのかがよくわかります。
この「互換インク会社」と「プリンターメーカー」は、過去何度も訴訟を繰り返しています。
2021年には、エレコム(互換インク会社)とブラザー工業が争い、エレコムが勝訴しています。
2024年には、エコリカ(リサイクルインク会社)とキャノンが争い、キャノンが勝訴しています。
お薦めしない理由その4
プリント速度が遅すぎます。
1分間に10枚程度でしょうか。
とくに、普段オフィスのプリンターの速度に慣れていると、耐えがたい遅さです。
レーザープリンターは、安いモデルでもその2倍~3倍の速度です。
料理の提供が遅い飲食店と行列が大嫌い(つまり待たされるのが大嫌い)な私としては、これだけで選ばない理由となります。
お薦めしない理由その5
インクジェットプリンターの優れている点は、その写真プリントの鮮明さですね。
しかし、よく考えみてください。
写真を自宅でプリントする機会ってそんなにありますか?
今や写真は、スマホで気軽に撮影し、スマホ上で見るだけの場合がほとんどです。
もう少し大きな画像で見たければ、PCやタブレットで見ればすみます。
どうしても紙の形状の写真にしたければ、コンビニのプリントサービスで間に合います。
つまり、インクジェットプリンターの最大の利点である「きれいな写真のプリント」がさほど必要ないのですね。
※どうしても自宅で写真入り年賀状をプリントしたい場合はインクジェットプリンターがよいのかもしれません。
私は、年賀状は印刷会社に発注しています。高級光沢紙で宛名入りで100枚刷っても三千円もしませんので。それでいて自宅プリントのクオリティとは比べ物になりません。
お薦めしない理由その6
インクジェットで印刷した文字は、水で滲みます。
手汗、マーカー、そうしたもので滲むのです。
勉強のためのプリントとしては致命的な弱点です。
※最近はだいぶ滲みにくくなったと聞きますが、滲まなくなったわけではないようです。
お薦めなのはレーザープリンター(LEDプリンター)
一度でもレーザープリンターの速度に慣れると、もうインクジェットは買えません。
写真は鮮明さが不足しているといわれていますが、そもそも写真をプリントする機会はほとんどありませんので。
インク詰まりとも決別できます。
何か月使っていなくても、問題なくプリントできます。
プリントに文字を書き込んでもにじみません。
練習用プリントを何枚も印刷するのも気軽です。
つまり、教材としてのプリントに適しているのです。
問題点は4つあります。
(1)家庭用の機種が少ない
もともとオフィス用のプリンターなので、本来はリース契約するのですね。トナーの交換やドラムのメンテナンスなども業者が担当するのです。
それでも、いくつか家庭用の商品が売られています。
ただし大半がA4対応機ばかりです。
スキャナー付きの複合機も少ないですね。
(2)大きい
構造上、インクジェットより大きく重くなります。これは覚悟が必要です。
(3)高価
インクジェットより、本体もトナーも高価です。
印刷コストも安くはありません。
しかしこれも、安いインクジェットを何台も買い替えるよりはましだと思っています。
(4)消費電力が大きい
私はこれを欠点と感じていませんが、ここを問題視される方ならレーザープリンターは不適ですね。
結論
NEC・CANNON・ブラザー等の大手メーカーのA3対応カラーレーザー複合機を買えば、幸せなプリントライフ?が送れることでしょう。
私は、印刷速度と耐久性を重視したので、OKIのプリンターを愛用していますが、かつて使っていたNECも悪くなかったですね。このNECのプリンターは、OKIのプリンターが不調のときの予備として今でも繋いであるのですが、OKIがまったく不調にならないので、活躍する場面がありません。
しかもOKIは保証期間が5年です。
ただしこの複合機の問題点としては、部屋がオフィスっぽくなることでしょうか。リビングに設置すると「浮き」ます。
また、このタイプの機種は高価です。
価格を重視されるのなら、A4対応の白黒レーザープリンターなら、かなり安く買えます。それに1万円程度で買えるA4フラットヘッドスキャナーを組み合わせます。
それでも良いと思います。
学校教育現場ではB版が生き残っていますが、それでも教科書やプリント等、少しずつ国際規格であるA版に移行しています。
B5版ならA4版に余裕をもって印刷できますし、B4版なら、余白を最小設定にしたA4用紙に少し縮小(81%程度の縮小率)で印刷できます。
そう考えると、A4で間に合わない、A3までのプリントが必要な場面はそうたくさんないのです。
せいぜい入試問題の解答用紙のプリントくらいでしょうか。
そこだけキンコーズですますのも手ですね。
どうしても自宅で完結させたい場合、私のおすすめは、A3対応単機能カラーレーザープリンターと、A3対応インクジェット複合機の組み合わせです。
A3対応カラーレーザープリンターでも、安いものなら4万円台から入手できそうです。
ただし、インクジェット複合機については、スキャナーとしてしか使わないのです。だから何でもかまいません。最安値のもので十分です。
もうインクをセットする必要すらないでしょう。
なぜか、スキャナー単体を買うよりはるかに安くすみます。
「インク商法」を逆手にとった利用法ですね。
この組み合わせなら、中高生のみならず大学生になっても有効に活用できるはずです。
何なら、リモートワークにも役立ちます。
最近のインクジェットは知らない
ここまで散々インクジェットプリンターを否定してきましたが、一つ白状しなくてはなりません。
もう私は何年もインクジェットプリンターを使ったことがないのです。
一生使わないと決意し、その後はレーザープリンターしか使っていないもので。
そのため、最新のインクジェットプリンター事情を知りません。
もしかして、私が指摘したような弱点は、とうの昔に解消されているのかもしれません。
そうだとしたらごめんなさい。