中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】夏休みがチャンス! 合格に近づくための王道 過去問演習の進め方入門

いよいよ受験生にとって最後の夏休みが始まります。

お通いの塾では、保護者会が開かれ、夏の過ごし方のレクチャーを受けたと思います。

また、夏休み前の面談で、志望校の相談もあったことでしょう。

 6年の夏休み、何をどれくらいどのように勉強すればよいのでしょうか。

 

1.夏休みの過ごし方

基本的には塾のアドバイスに従って勉強するのが王道です。

とはいうものの、それだけでは不安な方も多いと思います。

この記事は、以下のような方のために書きました。

 

〇塾の夏期講習が過密すぎて自分の勉強の時間がとれない

〇塾の夏期講習が緩すぎて、他に何をやればいいのかわからない

〇塾の夏期講習には参加しないので、自宅学習のやり方がわからない

〇志望校が定まらないので勉強の焦点が定めにくい

〇受験校は決めてあるので、余計な学習に時間をとられたくない

〇塾の指導に不信感があるが、今さら塾を変えたくはない

〇他塾の公開模擬試験の結果がひどく、このままではいけないと焦っている

〇子供のやる気が見られず、だらだらと過ごしている

 

もし一つでもあてはまる項目があれば、以下の記事は読む価値があると思います。

夏休みの効果的な過ごし方について、どの塾にも与しない中立な立場からのアドバイスということで、参考になさってください。

2.夏休みは過去問演習をやる最大のチャンス

多くの塾で、すでに初出の問題はすべて教えられているはずです。

国語は学習範囲があってないような教科ですし、漢字だって1026字はマスターし終わっているでしょう。

算数の特殊算もすべて解説は終了しているはずです。

理科はおそらく2週目か3週目の学習に入っていることでしょう。

一番遅くまで新しいことを学ぶ社会科についても、公民分野の最後の学習が終わるのは6月~7月あたりだと思います。

つまり、すでに新しい知識を学ぶ段階は終了しています。

ここから先は、問題演習を行うことで、問題の解き方を定着させたり、学んだ知識を問題を解ける知識へと昇華させる時期なのです。

しかし、多くの塾では、この過去問演習が充分とはいえません。

それには、このような理由があるのです。


(1)なぜ塾の過去問演習は不十分なのか


◆過去問演習ではお金がとれない


いきなり世知辛い話で恐縮です。

受験産業にとって、夏休みは書き入れ時です。

普段の授業は、小学校の終わった後の時間にしか実施できませんので、時間数は限られています。しかし、夏休みは違います。夏期講習でたっぷりと時間を確保できるのですね。

この授業時間数=塾の拘束時間=塾の売り上げ ということを考えてみましょう。

過去問をきちんと解くためには、時間が必要です。

算国が50分ずつ、理社が30分ずつ、およそ3時間というのが一般的な入試問題の時間だと思います。

例えば、朝9時から12時までが、問題を解く時間になるのですね。

塾に子どもを入れた親の立場として、ただ問題を解かせているだけの3時間の拘束時間について、授業料を支払う気になるでしょうか?


親としても、塾に行っている間は、授業をしてほしい、何か教えてほしい、と考えるものです。

そこで塾としても、問題を解かせる時間は減らし、何らかの授業を行う時間を増やさざるを得ないのです。

そうして、「過去問は家で解いてください。」という無茶な指示になってくるのですね。

これがいかに無茶な指示かというと、朝から晩まで塾に拘束したうえ、さらに宿題をたっぷりと出す塾が多いからです。

いったいいつやれというのでしょう?

 

※一部には、塾の拘束時間内にたっぷりと過去問を解かせて授業料を徴収する強気な塾も存在します。過去問演習の重要性を理解している良心的な塾なのか、あるいは楽して収益をあげる厚顔無恥な塾なのか、それはわかりません。何となく後者の匂いが・・・。


◆志望校がバラバラな生徒に過去問演習をやりにくい

 

たとえば麻布中が第一志望の生徒が、女子校の過去問演習をやらされたらどう思うでしょうか。あるいは、首都圏の受験生が、西日本の学校の過去問を解かされたらどう思うでしょうか。

「この学校はうちの子供は受けないのに、なぜ無駄な問題演習をするのか」

「うちの子が受験する学校の過去問演習だけをやってほしい」

このようなクレーム・要望が殺到することは目に見えていますね。


しかし、一部の大手塾のように、開成志望者だけを集めてクラスが複数成立するような環境がなければ、集団指導塾で生徒一人ひとりの要望を満たすような過去問演習を行うことは実質的に不可能です。

だから、「過去問は家でやってきてください。添削はしますから」というスタンスにならざるを得ないのです。

 

※そういえば、大手塾の中にも、特定の学校を志望する生徒を一つの校舎に集約して特訓授業を行うところが多いですね。これも上記理由に基づくものかと思います。

一見効率的に見えますが、電車に乗ってわざわざ遠くの校舎まで授業を受けにいくのは時間の無駄以外の何物でもありません。効率的というのは、塾サイドにとっての効率であって、受験生にとっての効率ではないのです。受験というのは、時間との戦いであることをお忘れなきよう。


◆過去問を指導できるレベルの教師が少ない

 

情けない理由ですね。

しかし現実のところ、塾の教師の力量というのも様々で、過去問を的確に指導できるレベルの教師が少ないのが現実なのです。

講師の中途採用を行っていたときの話です。

中学校の入試問題を採用試験として使っていたのですが、満点をとれる教師は一人もいませんでした。職務経歴書を見ると、他塾で豊富な指導経験があることを売りにしているにもかかわらずです。

さらに、「今解いた問題が、どの学校のものかわかりますか?」という質問に答えられる教師も一人もいないのです。

明らかに研究不足です。

「今年の入試問題であなたが一番気になった問題を教えてください。」

「今年は何校分入試問題を解きましたか。」

これらの質問にまともに答えられる教師もほとんどいませんでした。

もちろん、理由もわかります。

塾の教師というのは、教室で授業をしているだけではないのですね。

1.テキスト・プリント作成

2.テスト作成

3.記述添削

4.生徒の質問応対

5.保護者の相談対応

6.授業動画撮影(最近この仕事が増えていると思います)

7.学校情報集め(学校訪問)

8.入試分析会や説明会の実施

9.営業活動

ざっと挙げるだけでも、このような仕事を日々こなしています。

もちろん、塾によって仕事の比重のかけ方は様々ですが、どこかに力を入れれば、必ず他にしわ寄せがいきます。

5の保護者対応の厚さを売りにしている塾も多いですが、教師の目線は生徒(の成績向上)に向くべきで、保護者の方にばかり向いているのはどうなんでしょうね。「面倒見の良さ」というのが、生徒に対する面倒見ではなく保護者に対する面倒見の良さであっては本末転倒です。

また、9の営業活動に注力している塾も多いものです。もちろん塾も商売である以上、生徒に来てもらわなくてはなりません。しかし、無料の模擬試験を餌にして集めた電話番号に、教師が入塾勧誘の電話かけをして生徒集めのノルマが課されているような塾は信頼できるでしょうか。

入試が終わってからの2~4月の3か月というのは、生徒集めの時期でもあります。塾の教師が過去問を研究する時間がとれないというのもわかります。

しかし、それは言ってしまえば言い訳にすぎません。

生徒指導を仕事に選んだのなら、過去問を研究するのは最低限の義務であると私は考えます。


(2)過去問の効果的な演習法

ただやみくもに過去問を解いても効果はあがりません。やるからには、効果のあがる過去問演習を行いましょう。


◆時間を正確に測って解く

NG・・・試験時間を意図的に短くすることでスピードをつける

一見合理的なやり方に思えますが、あまり意味はありません。

結局解けない問題がでるだけです。

それより、きちんと時間をはかって解かせることが大切です。

NG・・・終わらなかったので、時間延長をする

言語道断です。時間をかければ、それは解ける問題も増えるでしょうが、ペース配分のトレーニングに全くなりません。


◆志望校以外の過去問も大切

過去問演習というと、志望校の過去問を解くことだと勘違いしていませんか?

もちろんそれも大切ですが、中学入試の場合は、幅広く多くの学校の問題を解くことで力がつくのです。

男子校・女子校・共学校、関係ありません。どの問題も解かなくてはいけません。

学校の偏差値も無視しましょう。自分が受験予定の偏差値帯の学校の問題だけを解くことに合理的な意味はありません。


◆解答用紙を用意する

多くの学校の入試問題の解答用紙サイズは、B4かA3です。自宅にA3サイズが出力できるプリンターはなかなかないでしょうから、せめてB4サイズのプリンターは用意したいですね。もちろんコンビニやキンコーズ等を利用してもかまいません。

信じられないかもしれませんが、解答欄をずらして記入してごっそりと点を落とす生徒は多くいます。解答用紙に書く練習は大切です。


◆4科目まとめて実施

時間がないからといって、教科をばらばらに別日に解くことはやめましょう。

まとめて4科目、きちんと時間をとってやることが大切です。

だからこそ、夏休みが最大のチャンスなのです。

 

◆解いた直後に答え合わせ

過去問演習の目的は、ここにあります。

合っていた問題よりも、解けなかった問題に注目してください。

おそらく、解いた時間と同じかそれ以上の時間が答え合わせにかかるはずです。

どこを間違えたのか、なぜ間違えたのか、一つ一つ確認しながら丁寧に丁寧に答え合わせを行います。

もちろん、生徒本人にやらせてください。

 

◆得点を記録する

以前の記事でも書きました。

peter-lws.hateblo.jp

 

過去問演習の得点をきちんと記録することは、後の受験校決定の際にとても役立つデータとなるのです。


(3)過去問を解く順番と量

夏休みから過去問演習をはじめるとして、どの学校のものをやるのがよいのでしょうか。

①受験校の2年前の過去問

最初に取りくむのが、受験校の2年前の過去問です。

目的は2つあります。

◆受験校の壁の高さを親子で思い知る

◆今後の学習の意欲を高める

正直いって、夏の段階で志望校の過去問を解いても全く点はとれません。50%に届けばよいほうではないでしょうか。

こうして、自分たちがチャレンジしようとしている壁の高さを、親子で確認するのが目的です。

また、そのことで、今後の学習の意欲を高めていきましょう。

くれぐれも、「もうだめだ」「無理」とならないように。

受験校の最新の過去問題は後で使いますので、手をつけないようにしてください。


②受験校以外の過去問

ランダムに、なるべく多く。

学校の偏差値帯、男子校・女子校・共学校・大学付属校・進学校・地域、すべて無視してください。

ランダムに、手あたり次第に解きまくるのです。


③受験校の過去問

②の過去問演習に、ときおり受験校の過去問演習もおりまぜていきましょう。

過去3年~5年分もやれば十分です。

とくに社会科は、古い問題に価値はありません。


④受験校の最新の過去問

いよいよ仕上げ段階です。12月~1月にかけて、受験校の最新の過去問を解きましょう。

出題の癖・ペース配分・解答用紙の体裁、こういったことを確認するのが目的です。


(4)過去問の種類と入手方法

ここで語っている「過去問」には、5種類あります。

 

①学校がHPで公開している過去問

これが最も利用しやすく、また利用価値が高いものです。しかも無料です。
とくに、学校側が模範解答を公表している場合は、これに勝る過去問はありません。
志望校のものも、志望校以外の学校のものも、まずは学校のHPから入手することを優先しましょう。

※類するものとして、学校が正式に窓口で配布(or販売)している「実物問題」というものがあります。多くの学校で、学校説明会に参加すると配布資料の封筒の中に入っています。または、入試が終わってしばらくすると、受付窓口で購入が可能になったりもしています。
 これはぜひ入手しましょう。12月か1月に、入試直前の実践的な問題演習の素材とするのに最適です。実際の入試問題と全く同じ印刷・レイアウトですので、効果がとてもあがります。

 

受験生のほうを向いている学校ほど、過去問を公開してくれていると思っています。

 

①非公開

②問題のみ公開

③問題・解答用紙を公開

④問題・解答用紙・模範解答を公開

⑤問題・模範解答・解答用紙・配点・採点講評まで公開

 

学校によってここまで温度差があります。

もちろん最も好ましい(受験生にとって)学校は、⑤の学校です。なかには、小問毎の得点率まで公開している太っ腹な学校もあるのです。自分の学校を受験にくる受験生たちにしっかりと準備をしてきて欲しいという気持ちの表れなんだと思います。

③の学校もまた多くあります。ほとんどの学校はPDFファイルで問題を公開していますので、その最後のページが解答用紙になっている、というスタイルです。

しかし、何故か模範解答は公開しません。

その理由は不明です。模範解答が存在していないはずはないのですから。

◆受験生が勝手に自己採点してクレームをつけてくることを警戒している

◆模範解答の間違いを指摘されたくない

私が思いつくのはこの2つくらいです。

受験者平均点や合格最低点を公開している学校も多くあります。

そうすると、「自己採点したら合格していたはず!」と抗議されることを恐れている、ということなのでしょうか?

そういえば、配点未公表の理由もそれなのかもしれません。

まさか2番目の理由、模範解答に自信が持てないということはないでしょうし。

 

※学校が出している模範解答のミスについては、この記事をどうぞ。

peter-lws.hateblo.jp

 


②「有名中入試問題集」

声の教育社という出版社が販売しています。

男子校編と女子校編の2種類があります。

これは、様々な学校の過去問を大量に収録したもので、やたらに分厚いのが特徴です。


③中学入学試験問題集

これは、「みくに出版」が市販しています。銀色の表紙が特徴的で、教科別にまとめられています。国語だけ男子校・女子校編が分かれており、その他に公立中高一貫校の適性検査問題をまとめたものがあり、計6種類となっています。

実は「みくに出版」というのは日能研の出版部門ですので、日能研の生徒はこちらを利用しています。

利点としては、教科別になっているので、苦手教科の過去問を徹底的にトレーニングするのに適していることです。短所としては、同じ学校の問題を4科目合わせて解きにくいことです。また解答用紙も解説もありません。


④学校別過去問題集

こちらも、声の教育社が出版しているものです。オレンジと黄色の表紙が書店でずらりと並んでいるのを目にした方も多いでしょう。学校ごとに、過去数年分の過去問が並んでいます。解答用紙が付属しているので、拡大コピーをして演習しやすいのも特徴です。

※配点については未公表の学校の場合、「声の教育社」が適当につけていますのであてにはなりません。


こちらは、志望校のものを全て買いそろえてください。

※夏前に出版されていますので、早めに用意しましょう。秋になると、学校によっては売り切れて入手できなくなります。秋も深まったころ、慌てた保護者からコピーさせてほしいと毎年のように頼まれますが、お断りしています。違法ですので。


⑤塾が公開している過去問

四谷大塚が、過去問データーベースの名称で過去問をまとめて公開しています。会員登録することで閲覧ができます。

その他にも、過去問を公開している個別指導塾等がいくつもありますが、著作権の問題がクリアされているかどうかは不明です。

著作権について、たとえば国語の場合はこうなっています。


A:入試問題の題材となった本の著者が持つ著作権

こちらについては、入試問題を作成した学校が著者に著作権料を支払っています。

著作権料は、何に使うのか、誰を対象としているのか、どれくらいの量を印刷するのか、などによって金額が大きく変わります。作家によっては、入試問題への使用を断るケースもありますし、入試問題への使用だけしか許可しないケースもあります。そのケースの場合では、中学校といえども入試問題を公開できませんし、もちろんそれを利用した過去問題集への収録も不可能です。


B:入試問題を作成した学校が持つ著作権

算数・理科・社会のように、問題文も含めて全てを学校の先生が作成した問題は、当然著作権は学校にあります。国語のように原著作者が他にいる場合でも、問題は学校の先生が作成していますので、二次著作権が学校に存在します。

したがって、入試問題集を出版したり、塾のHPに入試問題を掲載する場合には、一つ一つ学校に確認をして著作権料についての交渉をして契約を交わさななくてはなりません。

さすがに大手塾であれば社内の法務セクションがこうした点をきちんとクリアしていると思いますが(たぶん)、中小塾まできちんとしているかどうかは不明です。(たぶん何もやっていないところが多数では?)


C:入試問題を収録した問題集を出版した会社が持つ著作権

例えば塾が持っている過去問題集から、生徒のためにコピーをして配布すれば、法令違反となります。もし気軽にコピーさせてくれる塾があるとしたら、遵法精神が無い塾ということです。

 

著作権管理団体(企業)について

こちらはみなさんが知る必要のない情報ではあるのですが、ついでですから書かせてください。

作家をはじめとした著作者(含音楽等)は、いわゆる著作権管理団体(企業)に著作権料の回収業務を委託しています。

こうした著作権管理企業はいくつもあるのですが、中には業界で悪評高い、ハイエナのような団体(企業)があるのも事実です。

交渉よりも訴訟を優先させて揺さぶりをかけたりするのですね。

教育産業目線でいえば、まさにハイエナのような団体なのですが、作家サイドからすれば、自分たちの権利を強力に守ってくれる心強い存在なのでしょう。それだからか、著名な作家が多くこうした団体に業務委託しているようですね。ある塾の先生曰く、「どんなに良い本でも、あの団体の作家のものはテキストにも問題にも絶対に使わない」そうです。


(5)どれくらいの量を解くべきか

夏に毎日午前中に1校分解きましょう。

その後も、土日祝日を利用して解きすすめます。

受験予定の学校が4校あったとして、それぞれ5年分解けば20本分。さらにさまざまな学校の過去問題を解くのに30校分。

最低でも、50本は解く必要があります。

夏休みに30本、それ以降の土日祝日を利用して20本、公開模試なども受けるでしょうから、かなりタイトなスケジュールになると思います。

ある第一志望校に合格した生徒の場合、7月中旬から過去問演習をスタートさせ、計101本の過去問を入試本番前日の1/31まで解きまくりました。

これくらいやらないと、得点力は安定してこないのです。

 

過去問以外の学習

過去問以外にやるべきものは、以下の3つです。


◆計算のトレーニン

◆漢字・熟語のトレーニン

◆理科・社会の知識暗記(一問一答のもの)

もちろん、今までも毎日5分~15分を使って、上記トレーニングの教材をやっていたはずです。

これらは、そのまま夏休みも継続してください。

もしこうしたトレーニングをやってこなかった場合(そんな受験生はいないはずですが)は、書店に駆け込んで、なんでもいいので買って来て今日から取り組んでください。これは受験前日まで継続します。

 

〇漢字・熟語

「漢字の要 STEP1 マスターブック」(SAPIX

「漢字の要 STEP2 単元別基礎演習」(SAPIX

「漢字の要 STEP3 入試実戦演習」(SAPIX

「漢字マスター1095題(」日能研

「中学入試 よくでるランキング 漢字と語句」(日能研)

「中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2610問」(旺文社)

「漢字 合格の2730題」(声の教育社)

 

まだまだあります。

しょせん漢字、どの本も一緒、といいたいところなのですがそうはいきません。

いわゆる「出版社系」のものより「塾系」のものをお勧めします。

出版社には、「中学入試の専門家」=「中学入試の指導経験者」がいないからです。

 

〇理科・社会の暗記

「理科コアプラス」(SAPIX

「社会コアプラス」(SAPIX

「メモリーチェック」(日能研

「四科のまとめ」(四谷大塚

「中学入試 でる順過去問 理科 合格への926問  」(旺文社)

「中学入試 でる順過去問 社会 合格への1008問」(旺文社)

 

まだまだたくさんありますが、これくらいにしておきます。

要は、書店で手に取ってみて気に入ったものを選べばいいのです。

内容的には、SAPIXのものがお勧めです。

なぜなら、そっけない構成だからです。

個人的に、あまりにカラフルな問題集は嫌いなもので。

まあこのあたりは好みでしょう。

四科のまとめも、昔からの定番です。1冊2000円以上、4冊セットで8000円以上もします。書店にはありませんので直接四谷大塚のサイトから購入するしかありません。つまり、手にとって中身を確認して買えないのです。

 

◆計算ドリル

算数の計算力のトレーニングについては、SAPIXからは良いものは出版されていません(通塾している生徒用のものはあるらしい)が、日能研や旺文社・学研等、書店にいけば各出版社からいくらでも出版されていますので、手に取って気に入った物を選べばそれでよいでしょう。

 

 

※メルカリ・古本はやめてほしい

費用節約のために、古本やメルカリ・ヤフオクを利用する方もいらっしゃるかもしれません。
個人的にはあまり薦めたくはありません。

古本は、思わぬところに書き込みがあったり、模範解答が抜け落ちていたりして、やはり勉強しづらいと思います。メルカリ・ヤフオクは、届くまで中身が確認できません。中には、塾が通塾している生徒だけに配った教材や実施したテスト、さらにはそれらのコピーまで出品されている場合もあります。もちろん、どちらも違法です。

何かと費用のかかる時期、少しでも節約したくなるのはわかるのですが、お子さんが取り組む教材は、せめて新しいものを用意してあげてほしいというのが私の気持ちです。

これについては、兄・姉のお古の教材を使っていた生徒が「問題集までお古は嫌だ」と正直に私に言ってきたことでもあります。

 

その他に、夏休みを利用して、弱点の穴埋めを計画していた方も多いことでしょう。

断言します。

そんな時間はありません。

もう今までのテキストは押し入れに片づけてしまいましょう。

今からやる過去問演習に全力投入すべきです。

その他のテキストは、一切(上述したトレーニングを除く)手を付けてはいけません。

それが最も効果的な夏の学習法なのです。