図形の証明問題から、算数と数学の違いについて考えてみよう
中学生の数学の証明問題を見ていたら、算数の問題を思いついたので、算数と数学の違いについて考えてみたいと思います。
算数の問題
まずは算数の問題です。
∠BAE=∠ABC=∠ADB=90°
AE=4㎝
BC=9㎝
このとき、ABは何㎝ですか?
まあ、そんなに難しい問題ではないですね。
なにせ、私がちょいと思いついて作ったレベルですから。
相似の三角形を探せばいいことはすぐにわかります。
△ABEと△BCAに注目します。相似を探すのですから、角度を考えましょう。
AE∥BC → ∠EAD=∠ACB (錯角)
= 90°
∠ABC=90°
∠BCA+∠BAD=90°
これで、△ABEと△BCAは3つの角がそれぞれ等しいので相似とわかります。
二つの三角形をわかりやすく横に並べてみました。
さて二つの三角形が相似ということは、次の式が成り立ちます(相似比)
AB:EA = BC:AB
→AB×AB=EA×BC
=4㎝ × 9㎝
=36㎝
→AB=6㎝
数学の問題
では、もとになった数学の問題はどんな問題だったのでしょう。
(仮定)
∠EAB=∠ABC=∠R
AE×BC=AB×AB
(証明)
∠ADB=∠R
今解いた算数の問題の真逆ですね。
二つの三角形の対応する辺の比の式から、三角形が相似であることを導き、対応する角がそれぞれ等しいことを説明すると、∠ADBが直角であることが証明できます。
これは中2の数学の証明問題でした。
基本問題ではあるのですが、AE×BC=AB×ABという式がいったい何を意味するのか思いつかないと、完全に煮詰まります。
もし算数で上にあげたような問題を解いた経験があれば、瞬殺で証明できたことでしょう。
中学受験の算数は、なにも中学受験だけでは終わらない、数学につながる道を歩いているのですね。
このあたりの考察は、他の記事でも書いていますのでよろしかったらごらんください。