日能研は中学受験最大手の塾です。
自宅近所の駅にありますね。
ここに通うべきでしょうか? それとも?
今回はこの疑問を考えてみたいと思います。
※私の主観に基づく私見にすぎません。日能研を持ち上げる気も貶める気もありませんのでご容赦ください。
この塾の特徴
良くも悪くも「特徴が無い」塾だと思っています。
そう言ってしまうと失礼ですね。
「特別なセールスポイントも見当たらないが、ウィークポイントも見当たらない」といえばいいでしょうか。
まだ失礼かな?
しかし、この「ウィークポイントが無い(少ない)」というのも、とても大きな利点だと思います。
(1)教室数が多い
これが大きなメリット、私に言わせれば最大のメリットです。
中学受験は時間との戦いです。
小学校に普通に通いながらの勉強ですので、無駄にできる時間など無いのです。
したがって、近くにある日能研というのはそれだけでポイントが高い塾です。
本拠地に近い神奈川県を見てみると、
東横線沿線・・・自由が丘・武蔵小杉・日吉・菊名・横浜
田園都市線・・・二子玉川・宮前平・たまプラーザ・青葉台・中央林間
その他・・・センター北・センター南・中山・川崎・新川崎・鶴見・二俣川・藤沢・東戸塚・湘南台・上大岡・金沢文庫・大船・茅ヶ崎・蛯名・相模原・多摩センター・町田・小田原
ざっとこんな駅に校舎展開しています。
もちろん東京にも多数。
(2)オリジナル教材が充実している
こちらの塾の教材体系も充実しています。
しかも全てがオリジナル教材です。市販教材も、関連出版社の「みくに出版」から多数出版されています。
したがって、他塾や他の出版社の教材に浮気する必要性が全くありません。日能研の教材だけで学習は完結できます。
(3)テストが充実している
生徒数が多いので、テストの精度が高いですね。
これは大きなメリットです。
テストのレベルは高くはありませんが、まあ標準的といえるものです。
(4)復習主義
2週間に1度の「学習力育成テスト」(昔はカリキュラムテスト・カリテといっていた)がありますが、その見直しを主軸にすえた「復習主義」だそうです。
たしかカリキュラムテスト時代は、復習型の塾でなかったように思うのですが、スタイルを変えてきたような気がします。
もしかして、復習主義サピックスVS予習主義の牙城四谷大塚の戦いの結果を見て、カリテを捨てて復習主義に寄せてきたのかな? というのが私の邪推です。
(5)学生アルバイト講師はいない
こちらは、学生のアルバイト講師がいないのが「売り」の1つです。
チューターという名称の学生が、生徒の相談相手等をする制度があるそうです。
日能研関東の募集広告を見てみます。
【各教室】教室運営スタッフ
(教室の受付事務、生徒募集の企画とイベント運営、子ども・保護者との学習相談・受験相談、保護者会、授業担当、等)
まずは【教室事務】を中心に教室の一員として、電話対応や入塾ガイダンス・申込受付・生徒への配布物の準備等をお任せします。
仕事に慣れてきたら【生徒募集】に関わります。
入塾イベントの運営のほか、案内文の作成・イベント参加者への電話や面談による入塾勧誘を担当します。
半年~1年後には【クラス担当】として担当クラスの保護者問い合わせ先になり教材の使い方などの相談に応じ、徐々に指導的な役割を担います。
1年後には【授業担当】として学習支援を開始。
国・算・社・理から希望の1教科を選択します。
半年~1年間の研修を経て、デビュー。初年度は低学年を週2コマ程度お任せします。
2年後には【学習・進路アドバイザー】として自身の経験を糧に生徒の学習計画や志望校選定の相談に応じることで活躍の場が増えていきます。
ああ。昔と変わりませんね。
社員は教室運営のみの総合職です。教師職ではありません。
授業を担当しない彼らが、学習相談や受験相談まで担当するのです。
ちなみに、講師職の募集はこうなっています。
小学3~6年生が対象。1クラス15人~程度の集団指導をお任せします。(1クラス20名前後が多いです)
指導科目は国語・算数・社会・理科から1教科を選べます。
授業とその付随業務(質問対応や学習アドバイスなど)がお仕事の中心です。直接的な生徒募集業務をお任せすることはありません。教科指導に専念できます。
一日に授業を数コマ担当します。
時給は3040~となっています。
名称は「契約社員」となっていますが、これはいわゆるアルバイト講師とかわりません。学生ではないというだけです。
[平日]17:00~20:55に 3コマ開講
[土曜]12:40~20:35に 6コマ開講
[日曜]8:45~16:45に 4コマ開講
[講習]8:20~20:35に 9コマ開講
上記授業の全部ないし一部(例/平日に2コマ担当)をお任せします。
月~土曜 70分授業
日曜日 105分授業
授業開始15分前から授業終了15分後までが勤務時間です。
となっていますね。授業15分前に来て、授業だけやって帰る、そうしたスタイルです。
このスタイル、つまり授業は授業だけの専門講師が、生徒対応・保護者対応等その他の一切が教室スタッフが、というやり方は合理的ではありますが、評価は分かれそうですね。
個人的には、授業をしているからこそ生徒一人ひとりの出来具合が見定められるし学習相談にも応じられるものなのですが、こちらには何か秘策でもあるのでしょう。
もっとも、周囲の日能研に子どもを通わせている保護者に聞いてみると、このことに、つまり授業を担当してもいないスタッフに学習相談・進路相談をすることには違和感はないそうです。むしろとても親身になってもらった、などという声もききました。
そういうものなのかもしれません。
どういう子が選ぶべき?
◆中堅校を志望
帝京大・桐蔭・山手学院・かえつ・国学院久我山・淑徳・成蹊・日大・森村・関東学院・東洋大京北・ドルトン・獨協・桐光・八王子・横浜創英・公文国際・東大附・日大豊山
品川女子・帝京大・富士見・共立女子・晃華・淑徳・森村・横浜共立・カリタス・昭和女子・普連土・三輪田・湘南白百合・女子美・明治学院・日本女子・東京女学館
日能研の偏差値表から80偏差値49~51の学校を一部抜粋してみました。
このあたりがこの塾のボリュームゾーンです。
こうした学校を志望するのなら、日能研は適正な塾です。
志望者も多く、ライバルも多く、合格ノウハウも多いことが期待できるからです。
模試の合否判定の精度も高くなりますね。
◆塾のことがよくわからない
おそらく中学受験にも詳しくない場合、とりあえず日能研、というのはアリですね。
大きく外す事のない塾だと思います。
そして、配布される「進学レーダー」を熟読しているうちに、受験の基礎知識が身についてくると思います。
選ぶべきではない子とは?
そうした子は少ない塾だと思います。
標準的な指導が期待できる塾だからです。
あえて、ということならば、こうした子でしょうか。
◆誰かが見ていないと勉強を全くやらない子
この塾に限りません。
そういう子は受験に向きません。
日能研は集団指導塾ですし、一教室あたりの人数も多め(20~25くらい)ですし、前述したように講師は授業しかやりません。
ついうっかりしていると、ただ通っているだけになりかねません。
◆難関校・最難関校を目指す子
迷わずサピックスを選びましょう。
合格実績が全てを物語っています。
こちらにも詳しく書きました。