中高一貫校の1年の華といえば文化祭(学園祭)ですね。
元教え子からも、「先生来て!」とよく誘われるのですが、全てに応じていたら身がもたない上、学校内を歩いていて「あっ!」と元教え子に寄ってこられる(だいたいは逃げていく)のもどうかなあ、と最近はあまり足を運ばなくなりました。もっとも、コロナでずっと中止になっていた文化祭(学園祭)が、やっと復活してきたということで、久々に足を運ぶかなあ、と考えているところです。文化祭にはその学校の生徒のリアルな姿が反映するものですからね。
しかし、麻布の文化祭にはたぶん行かないでしょう。いや、面白いですよ。私が行った文化祭の中では、ダントツにカオスぶりがおもしろい。ほとんど大学の学園祭のりです。ただ、嫌な思い出があるもので。
私が行ったあるとき、高校3年くらいの男の子が2人、私のところによってきたのです。
「先生、ひさしぶり!」
「ああ、元気か?」
「先生、老けたね。」
「大きなお世話だ!」
「ところで、俺ら二人のこと、覚えてる?」
「あっ、ああ、もちろん。」
「嘘だね! 俺は先生に習ったけど、こいつは別の塾だったし!」
「・・・・。」
いや、無理です。高校生にもなると、小学生当時の面影ゼロですから。それでも教師としては「お前、だれだ?」とはなかなか口にできません。憶えているふりで会話を続け、ヒントをさぐって、やっとなんとかかんとか思い出す、そういうものです。同じ学年だった他の生徒の話などしているうちに思い出すのが常なのです。
もうこの学校の文化祭だけは二度と来てやるもんか! そう心に誓いました。
それでも、たしかそのときに撮った写真が出てきたので、紹介します。たしか化学部の展示だったと思います。
まあ、麻布の生徒達が本音を答えるとは思えませんので、あくまでも参考程度です。
それでも、文化祭が学校選びの決め手というのは、いかにもというかんじですね。
やはり、自由なところが、麻布最大の魅力なのでしょう。
実は、5月に行われるこの文化祭をみて、
「僕、ここに行く!」となるのか、
「僕、こんな学校嫌だ!」となるのか、二つに分かれます。
親が行かせたくても、文化祭を見て拒否反応を示す受験生は毎年いましたね。
文化祭というのは、ある意味で生徒の自主的活動の集大成のようなものです。それを見れば、その学校の生徒の本来の姿をうかがい知ることができると思います。
それにしても、歩いて通う生徒がいるのが羨ましいですね。場所が麻布ですから。
ところで、こんなデータもありました。
この展示があったのは、だいぶ前になります。もうこの頃在籍していた生徒は卒業しています。(だからここでご紹介できるのですが)
それにしても、当時から鉄緑会が強いですね。
これは、どの学校でアンケートをとっても同じような結果になると思います。ほとんどの生徒は自分の学校が好きなものですので。もちろん、第一志望として選ばれることが多い学校ほどその傾向が強いことはたしかですが、かりに不本意な進学であったとしても、1年もたてば目を輝かせて学校の魅力について語ってくれる生徒が大半でした。
最期はこのデータを紹介します。
やはりサピックスが強いですね。聞くところによると、中一の会話として、
「君、どこの塾だったの?」ではなく、
「君、どの校舎だった?」 だそうです。
麻布の文化祭は例年ゴールデンウィーク頃に3日間開催されます。
ところで、麻布といえば、卒業してからも群れることの少ない学校だそうですね。卒業生ネットワークが種々構築されている開成とは好対照です。
2024年の文化祭
今年は、5/2・3・4の開催だそうです。
あいかわらず3日間も遊ぶのですね。
公式情報を探していたのですが、どうにも手に入りにくいのです。同じ時期の開催といえば、武蔵・聖光・栄光などがあるのですが、それらの学校は公式HPが作られていて、情報も入手できます。どうやら、麻布は学校は文化祭にノータッチという伝統が守られているようです。文化祭実行委員会のXが主な情報発信ツールということのようです。
そうして情報を探していたら、おもしろいページを見つけてしまいました。恵比寿にある美容室のHPに、奇抜なヘアスタイル・色の男性(高校生くらい?)の写真がたくさんUPされているのです。麻布の生徒が文化祭前にここでカラフルに染めるのが伝統?と書いてありました。ううむ。青春といえば青春なのですが。
麻布志望の教え子たちも、この文化祭には行くのですが、その後の反応は2つに分かれます。
「ここしか僕の行く学校はない!」
「こんな学校嫌だ!」
まじめな子、年よりも幼い子は拒絶反応を示す場合が多いのです。お子さんが麻布を第一志望としていて、両親もそれを応援している場合、文化祭に行く前によくお考えください。
入試問題については別の記事で分析しましたので、ぜひごらんください。