今回は、前回の記事の続きで食事情を書いていきます。
といっても、高級レストランに行く予定もありませんので、B級の食事の話です。
和食ブーム
ロンドンにおける和食ブームは、一周回って完全に定着しました。
とくに寿司系は、どこに行っても食べることは可能です。
街角で見かけたお店がこちら。
SUSHIDOG、つまり「寿司ドッグ」?
もう少し近づいてみましょう。
ああ、完全にファーストフードの店構えですね。
しかし、書かれているメニューはハンバーガーでもホットドッグでもありません。
ROLLS
BOWLS
SALADAS
とありますね。
手巻き寿司とどんぶりとサラダが売られているようです。
実はこの「SUSHIDOG」ですが、けっこう各地にはびこっています。
こちらは、ロンドン最大(実はヨーロッパ最大級)のショッピングモール、ウェストフィールドのフードコートで見かけました。
メニューが見たいですね。近づいてみましょう。
ROLLSの先頭には
SUSHISOG'S SIGNATURE SALMON
とありますので、これが一押しメニューのようですね。
「サーモン、ジャパニーズマヨ、アボカド、きゅうり、枝豆、クリスピーオニオン、ゴマ」とあります。
まあ無難?な気がします。
これで8.95ポンドですから、1本1800円!くらいですね。
もうこの価格はあきらめるしかありません。
円安もさることながら、物価水準が違うのです。
というよりも、日本の給与水準が欧米基準では低すぎるのです。
さらに見てみると、「BANG BANG TOFU」というものがあります。なんだろ、これ?
素材名はこうなっています。「コチュジャン焼き豆腐、大豆、サテ(東南アジアの串焼き肉)、枝豆、キュウリのピクルス?、キャベツのピクルス? クリスピーオニオン、ゴマ」
まあ何となく味の想像はつきますね。
海苔巻きというより韓国の「キンパ」だと思えばいいのでしょう。
どんぶり物を見てみましょう。
おお、「CRISPY CHICKEN KATSU」というのがあるじゃないですか。
「チキンかつ、Sriracha Mayo、大豆、キャベツのピクルス、ニンジンピクルス、春オニオン、ゴマ」ですか。
なんだ、この「Sriracha Mayo」って?
ああ、「スリラチャ・ソース」「シラチャーソース」って、アメリカでよく見かける怪しい?ソースがありましたね。タイ発祥らしいですが、アメリカ人が考えるアジア風ニンニク唐辛子ソースという認識です。
真っ赤なボトルをアメリカのアジアンレストランのテーブル上でよくみかけます。
それにしても、枝豆って人気なのかな?
どうやら「エダマーメ」として、日本風健康野菜として人気のようです。
まだまだ突っ込みどころ満載なのですが、これくらいにしておきましょう。
次はこのお店です。
このお店もよく見かけました。
看板を見ると、「rice bowls/asian saladas/hot noodles/soups/gyoza/sushi」となっています。寿司やヌードルはともかく、餃子? なかなかの節操の無さです。
こちらも、ウェストフィールドで見かけました。けっこうな人気でしたね。
おそらくは、ヘルシーなお店という認識なのではないでしょうか?
そういえば、テスコの店内にも、ITSUブランドのパッケージの持ち帰りサラダのようなものが売られていました。
そしてもちろん、どのどんぶりにもサラダにも「エダマーメ」がたくさん盛られています。
ところで、何年も前からあるのが、「WASABI」です。
こちらも持ち帰り&イートインの寿司和食屋です。
すっかり町の風景に違和感なく溶け込んでいますね。
このお店もあちこちで見かけます。地元の人でいつもにぎわっています。
今回もサーモン寿司を買って食べてしまいました。
美味しかったです。
個人的には、ここの「カツカレー」も好きなのです。
上の写真は何年か前に店内で食べたものですが、今回、テスコで「wasabi」ブランドのカツカレーが売られていましたので、思わず買って帰り、電子レンジで温めて食べてしまいました。
まあ言ってしまえば日本の安いカツカレー(ただし価格は異なる)の味ですが、B級感満載で美味しかったです。
こうした和食系ファストフード、なんだか、マクドナルドのようなファーストフードの店よりも目についたような気がします。
イギリス人もやっと和食のおいしさに目覚めたのでしょう。
もちろん、今回ももれなくパブでこういうやつを食べています。
だいたい胸やけがして後悔するのですが、今回のこのパブのフィッシュ&チップスは美味しかったですね。
でもこんなのばかり食べていたとすると、和食ブームもうなずける気がします。
もちろん、日本人からすれば、「なんちゃって和食」には違いありません。
それでも、海外で、高級な純粋ジャパニーズレストランなどに入るより、こうした地元御用達の日本食?を食べられるのって、何かうれしいものですね。
よく「不味い」という人がいますが、誰もロンドンのファーストフード寿司に日本のクオリティなど期待していませんので。
回転寿司以下のクオリティなのは承知です。
そう考えると、欧米の「和食ファン」が日本の回転寿司に行くと感激するでしょうね。
その味のクオリティと価格に。
ところで、なぜかロンドンで「PHO」の店を何度も見かけました。
写真のフォーは、 Baker Streetをうろついていて食べたものです。
そうです、 Baker Street(ベーカー街)です!
もちろん、ホームズの気配など微塵も感じない普通の通りです。
本当は、「Five Guys」でハンバーガーでも食べようと思ったのですが、昼時なのに客がゼロだったので、何となく回避していしまいました。
イギリス人にはハンバーガーは受けないのか?
この店は、アメリカ発祥のハンバーガーチェーンですが、とても美味しいのです。アメリカはさすがハンバーガーは美味しい店がたくさんありますね。
「In-N-Out Burger」と並ぶ、日本未上陸のアメリカ人気店です。
そういえば、『シェイク シャック(Shake Shack)』をニューヨークで初めて食べたときには「さすが!」とアメリカのハンバーガーカルチャーの奥深さを思い知りましたが、日本に入ってきてくれて嬉しい店の一つです。
「KUA`AINA クア・アイナ」だって、ハレイワの田舎くさい店だったのに、いつのまにか日本に上陸し、今や本店も小ぎれいですからね。こういうのって、誰が仕掛けるのでしょう?
さて、フォーの味ですが、とても美味しかったです。なんだか「沁みる」味です。
ベトナム戦争以来、アメリカに逃れた(移住した)ベトナム人が増えましたので、アメリカでよくフォーの店はみかけます。でも、ロンドンにもけっこうあるのです。
アジア箸文化の一員としては、なんとなく嬉しくなります。
こうなったら、チャイナタウンに繰り出しましょう。
あいかわらず凄い人出です。
しかし、ここにくれば、確実に美味しい中華料理にありつけます。
一般に、イギリス料理は美味しくないとは言いますね。
確かに伝統的イギリス料理は微妙なものも多いです。
しかし、ロンドンなら、あらゆる料理が食べられますので。
個人的には、チャイナタウンの中華と、和食系ファストフードと、そして本格インドカレーにフォーでもあれば何日でも乗り切れます。もちろんパブのビール&フィッシュ&チップスも。
イギリスの食文化についての考察はこちらで記事にしました。
おまけ
ちらりと紹介した「Westfield ウェストフィールド」
ここは、とんでもなく巨大なショッピングモールです。
ハイブランドからカジュアルブランドまで、あらゆるブランドショップが集結しています。
デパート系も、John Lewis & PartnersとMarks & SpencerとTK Maxx があります。TK Maxxはディスカウント店ですが、じっくりと探すと掘り出し物に出会えます。
スーパーは、M&Sに加えてWaitrose & Partnersがありますので、美味しいものが買えますね。お土産のクッキーなど買うのもよいでしょう。
フードコートも充実していますね。私の観察によると、昼時の一番人気(一番行列していた)は韓国系の丼的なワンプレートのお店でした。中華の店も複数出ています。もちろんフォーも。可哀そうなくらい閑古鳥だったのは、ステーキサンド&ハンバーガーの店でした。どうやらロンドンB級の食事情は、アジア系が席巻しているようです。
ここは、半日くらいの予定で行くと、全く時間が足りなくなるかもしれません。とくに買い物好きの方は要注意です。2回くらい行く予定を立てる必要がありそうです。
荷物を預かってくれるクローク(機内持ち込みサイズだったら1個£5、スーツケースサイズはもう少し高い)もありますので、帰国当日の最後のお土産探しにも使えます。
最寄り駅は、Shepherd's Bush、Wood Lane、Shepherd's Bush Market、の3駅です。
つまり、3駅にまたがる面積ということです。
ところで、Shepherd's Bush Market駅には、文字通りそういうマーケットがあります。
まあ一言でいうと「アメ横」です。
インド系・アフリカ系・中東系の露店が並んでいます。客層もそういった方々が中心です。観光客はあまり歩いていなかったような気がしますね。
冷やかしでぶらつくのには面白い通りですが、治安の良さを感じる通りでもありません。(治安の悪さを感じたわけではありませんが、どうしても近所の近代的なウェストフィールドの雰囲気と比較してしまいますと)