中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】親が勉強を教えないといけないの?

中学受験の勉強は大変です。

ちょっと子どものテキストを見ると、「こんなに難しいことをやっているのか」と驚かされます。

こんな勉強を、親は教えないとダメなのでしょうか?

今回はこれについて考察します。

結論

今回は、いきなり結論から申し上げましょう。

 

当たり前です。

親が教えるのです。

 

「そうはいっても、あんなに難しい問題、教えられません!」

 

ちょっと待ってください。

大人でも逃げ出す勉強を、わが子に強制しているのですか?

 

「時間がないので」

 

それが言い訳でないと断言できますか?

 

「塾と家庭教師にまかせています」

 

なるほど。お金でわが子の教育を解決したのですね。

 

「私は中学受験を経験していないので」

 

子どもだって初体験です。

 

厳しい言い方をしているのはわかります。

みんなができないからこそ、塾が乱立しているのですね。

 

しかし、親が努力もせずに塾に丸投げするのと、親が努力をした上で塾に通わせるのでは全く異なるのです。

 

では、何から着手すべきなのか、どれくらい関わるべきなのか、それについてお話します。

 

入試問題を解く

 

最初に、入試問題を父親・母親二人で解いてください。

もちろん、わが子の第一志望校として考えている学校の入試問題です。

時間を正確に測り、4科目を2人で。

さて、どれくらい得点できましたか?

一般的には、このような傾向が見られます。

◆算数・・・時間切れで最後まで解けなかった

◆国語・・・満点のつもりだったが、けっこう落とした

◆理科・・・大学の受験科目のジャンルは解けるが、それ以外が全くわからなかった。

◆社会・・・公民分野はできたが、地理・歴史をだいぶ落とした。

※合格ラインを下回った。

 

安心してください。

この最初の試験で、合格ラインをクリアするのは難しいものなのです。

その難しいチャレンジを、わが子に強制するのが中学受験の世界です。

 

ここで、父親と母親の得点力が浮き彫りになった段階で、二人の指導科目の役割分担を決めましょう。

もし父親が(あるいは母親が)、4科目全ての得点が高かったら、4科目を一人で負担すべきなのですが、そのあたりは二人で相談しましょう。

 

塾の教材を毎回チェックする

 

今わが子が、どんな内容をどれくらい学んでいるのか。

それを知るためには、塾の教材やわが子のノートを毎回チェックするのは当たり前です。

今後、子どもに、学習のアドバイスをしたり、質問に答えたりしなくてはならないのですから。

 

テストの分析は必須

 

テストで大事なのは、得点ではありません。何が解けなかったのか、どのようにして点を落としたのか、その分析を行うことですね。

これは子どもにはできません。

 

家は自習室

厳しい?顔をした先生が座っています。

その前で、生徒は勉強に取り組んでいます。

「もう算数を1時間もやっているから、そろそろ理科に切り替えなさい」

このように時間の管理も先生が声掛けしてくれます。

「先生、この算数の問題の解き方を教えてください」

「この記述で合っていますか?」

生徒が質問すると、先生が教えてくれます。

「昨日から同じタイプの問題で必ず間違えるね。どうやら面積図が苦手のようだな。それじゃあ、ちょっと基本から解説してみようか」

ときには、このように生徒の弱点を見極めて適切な指導もしてくれます。

「もっと字を丁寧に書かないと、〇がもらえないぞ!」

ときには、厳しく指導が入ります。

「最近漢字を間違えないようになってきたな。頑張ってるね」

ときには褒めてくれます。

 

そんな「自習室」があったらどうでしょうか。

ぜひ通わせたいですね。

 

そうした「自習室」を家庭に構築するのが目的なのです。

 

もちろん、全ての質問に即答できないと思います。

その場合の対処は2パターンです。

◆時間をかけて考えたり調べたりしてから教える

◆その問題は塾で質問してくるようにアドバイスする

 

もし塾に通っているのなら、そこを利用しましょう。

ただし、一旦は親が考えて、それでも解けない・指導できない場合のみ頼ってください。

そのうえで、子どもが教えてもらってきたら、親は子どもに解き方を教えてもらいましょう。

 

注意

◆親は専制君主的教師になってはいけない

専制君主的教師」とは、「俺の指導は絶対だ!」とばかりに、生徒に君臨する教師のことです。

塾の教師によくみられるタイプですが、本当にそう宣言できる力量の教師は実は多くはありません。

まして、親はアマチュアです。

教えられない問題、解けない問題、知らない知識、そんなものがたくさんあるのは当たり前です。

それを、その都度何とか解決しようと頑張る、その親の姿勢を見せることこそが、「最高の教育」だと思います。