中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

中学受験へ向けて、今準備しておかなくてはならないこと「ホテルの予約」

さあ、そろそろ涼しくなってきましたね。

気温が下がってくると、いよいよ入試が近づいてきた思いがします。

願書の準備、写真の準備、この時期にやらねばならないことはたくさんあるのです。

でも、意外と見落としがちなのがホテルの予約です。

今回はこのお話をしたいと思います。

 

入試当日の準備で見落としがちなこと

(1)親の居場所の確保

入試は、すべて子ども中心に動きます。

親はそのフォローをするだけですね。

だから、見落としがちなことがあるのです。

それは、入試当日の親の待機場所です。

 

例えば、開成中学の場合、試験時間は9:00~14:00となっています。

集合時刻は8:00~8:40です。

注意書きにはこうあります。

 

14. 付き添いの保護者は、校舎内への立ち入りはできません。控え室(中学小講堂)でお待ちください。
 ※「募集要項」では控え室を「大体育館」としていましたが、「中学小講堂」に変更となります。
15.学校内および学校周辺には、駐車するところはありません。
16.試験終了後は、混雑緩和のため、受験生を高校正門に受験室ごとに順次誘導します。保護者の方も、案内があるまで、控え室の中学小講堂でお待ちください。

 

ということは、8時過ぎにお子さんを開成中まで連れていったとして、お子さんが出てくる14時過ぎまで、「小講堂」でずっと座って待つのですね。

お昼はどうするのですか?

疲れませんか?

 

学校にもよりますが、「待機場所」が快適とは限りません。

寒すぎたり、暑すぎたり。

なにより空気の重いこと。

 

ただでさえ、入試シーズンは親は心身ともに疲弊します。

「待機疲れ」は避けたいと思うのです。

 

学校近くのカフェを利用しようと考えている方に忠告します。

学校周辺に数百人~千数百人の保護者を収容できるだけのカフェの席数はありません。

 

繁華街にある学校(豊島岡・渋谷渋谷等)なら話は別ですが、多くの学校がある文教地区は飲食店がとても少ないのです。

 

※試験の注意に書いてあるところが多いですが、試験時間中、親は「学校の近く」にいることを求められます。

試験中に具合が悪くなった場合など、すぐに駆け付けてもらうためです。

したがって、「一度家に帰る」ことはできません。(家が学校の近所なら別。その場合この記事は読む必要はありませんね)

 

(2)午後受験の昼食場所

最近は午後受験をする方も多いですね。

午前中の試験が終わってから、急いで午後入試の会場に移動します。

 

多くの「午後入試」を設定している学校では、だいたい想定している午前受験の学校があります。そこからの移動時間・食事時間が無理ないような試験時間の設定にしているはずです。

 

しかし、前述したように、学校の多くは「文教地区」であったり「住宅地」に立地しています。

お子さんを連れて、手早く、簡単に、落ち着いて、栄養バランスのよい、消化のよい食事をとる場所が都合よくあるとは限りません。

昼時だと待たされる可能性もあります。

平日にせよ休日にせよ、ランチタイムの飲食店の混雑状況は十分予測できますね。

(予約を入れておくというのは一つの解決策です)

 

これも、見落としがちな、しかも重要な問題です。

 

ホテルを予約しておくことのメリット

 

前述した問題を一気に解決するのが、受験校近くのホテルを予約することなのです。

 

ホテルを予約しておくと、こんな行動パターンになるはずです。

 

(1)前日に、家で夕食を食べてからゆっくり移動する

(2)当日の朝は、ホテルでゆっくりと朝食を食べてから、歩いて試験会場に移動

(3)子どもを見送った後、親はホテルの部屋で待機(昼寝?)

(4)子どもを迎えにいく(あるいはホテルを待ち合わせ場所にする)

(5)用意した昼食をホテルの部屋でゆっくりと食べる

(6)それから帰宅or午後入試の会場に移動

 

こんなかんじになりますね。

 

どうでしょうか。魅力的ではないですか?

メリットを整理すると、こうなります。

◆当日の交通機関の乱れを回避できる(事故・積雪、問題なし!)

◆時間の無駄が省ける(念のために早く学校に行く必要がない)

◆子どもは電車酔いしがち。それが避けられる

◆親が疲れない!

 

小学生の多くは乗り物酔いをします。

日ごろ歩いて小学校・塾に行くため、電車に乗り慣れていない子も多いですからね。

試験当日の朝、混んだ電車で移動するだけで、青ざめた顔いろで入試会場に到着した生徒を何人も見てきました。

 

学校近くのホテルの予約、ぜひ前向きに検討すべきだと思います。

 

今ちょっと見てみると、開成の半径100m以内には6軒もホテルがありますね。

桜蔭周辺はもっと多く、10軒以上あります。

栄光学園周辺はちょっと寂しいですが、大船駅周辺に5軒ヒットしました。

探せば、いろいろ見つかるものですね。

 

※注意

◆お子さんが、「枕が変わると寝られない」タイプの場合は無理かもしれません。その場合は逆効果になってしまいます。

 

◆さすがに全ての受験校近くのホテルを押さえるのは非現実的です。

第一志望校のホテルを1つ、あるいは第二志望校も含めて2つ、そんなところが適正だと思います。

 

◆上述したメリットを享受するためには、「レイトチェックアウト」にしておく必要があります。10時にホテルを追い出されたのではメリットが半減しますので。

 

 

かつて入試激励を行っていた時代には、学校近くのホテルの駐車場をよく利用しました。そうすると、ロビーにはそれらしい親子連れを大勢見かけたものです。私が入試激励に向かう時間は集合時刻の1時間も前です。きっとこれからホテルで朝食といったかんじなのでしょう。朝食後にホテルの部屋でトイレなどゆっくり済ませてから、ゆっくり歩いていけばよいのですね。心なしか余裕の表情に思えたものです。勝手な思い込みですが。