中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

中学生になるのなら、美術館くらいには行っておこう

今回は、美術館の勧めです。

※東京中心の記事となっていますが、ご容赦ください。

美術館にはいつ頃行けばいい?

 

行ったほうがいいだろう。

いつか行こう。

そう考えているうちに、

まあ、今行かなくてもいいだろう。

興味が出てくれば自分で行くだろう。

こうして美術館すら行ったことのない大人になっていくのです。

 

小中学生のうちに、ぜひ美術館に足を運んでほしいと思います。

わからなくてもいいのです。

興味がわくのを待っていたら、永遠に興味などわきません。

良い芸術に接することで心が豊かになる、そんなことは申しません。

とにかく足を運んでほしいのです。

したがって、チャンスはこの秋としましょう。

 

どこに行けばいい?

国立美術館は7か所あります。

東京国立近代美術館

国立西洋美術館

国立新美術館

京都国立近代美術館

国立工芸館(石川県・金沢)

国立国際美術館(大阪・中之島

国立映画アーカイブ

 

東京には3つの国立美術館があります。まずはここから攻めてみましょう。

 

 

国立西洋美術館

上野公園入口付近にある美術館です。

ル・コルビジェの設計で世界遺産になっていますね。

美術館探訪の第一歩はここから始めましょう。

おすすめポイントは3つあります。

 

◆ロケーション

 繁華街ではなく、上野公園内という落ち着いた環境にあります。美術館を見たあとには公園内を散策するのもよいですね。いちおう西郷隆盛像でも見ておきましょうか。

 

◆建物

 いうまでもなく必見です。

 

◆所蔵品

豊富な所蔵品がありますが、古い宗教画はつまらなく感じるでしょうから、ここは人気の印象派を見ていきましょう。マネ・モネ・ルノワールゴーギャンセザンヌゴッホなど、知っている作品もあると思います。またロダンの彫刻も見どころです。「地獄の門」「カレーの市民」「考える人」などが見られます。

私はずいぶん昔に、パリのロダン美術館で至福の時を過ごしたことを今でも鮮明に覚えています。ロダンの彫刻もわかりやすくておすすめですね。

 

東京国立近代美術館

お堀に面して竹橋にあります。

そうきくとロケーションはよさそうなのですが、交通量の多いエリアですので、西洋美術館のようなゆったりした雰囲気ではないですね。

こちらの特徴は、横山大観岸田劉生等、明治以降の日本の近代美術が充実しているところです。

そういう意味では、通好みの美術館かもしれません。

 

東京都美術館

こちらは企画展・公募展が充実しています。

ふだん見ることのない美術に出会えるので、なかなか面白いですね。しかもだいたい空いています。

上野公園の奥というロケーションも素敵です。

 

国立新美術館

 

六本木に、威容をほこる美術館です。

しかし、ここはなんと収蔵品を持たない美術館なのです。

ということで、美術館のジャンルには入らないと私は認識しています。

ただのイベントスペースですね。

ただし、魅力的な企画展が多いのが特徴です。

結局行くことになります。

 

東京都現代美術館

 

美術鑑賞初心者には、意外と現代美術がおもしろくかんじられるものです。

権威や歴史など気にせず、気軽に鑑賞できるからでしょうね。

 

大塚国際美術館

これは東京にありません。徳島県鳴門市にあります。

そしてここの特徴は、展示品全てが模造品であるところなのです。

しかも、全て陶板で作られています。

 

そんなまがい物の美術館もどきがお勧めなのか?

 

私もさほど期待せずに立ち寄ったのですが、これが意外におもしろかった。

普通ならあり得ないほどの世界中の名画が、全てといっていいほどみられるのです。

例えばゴッホのひまわり

世界中に分散して存在し、その1つを見るだけでも大変な名画ですが、なんと全てのひまわりが一同に会して見られるのです。

また、システィナ礼拝堂も見事に再現されています。

私は本家バチカンのシスティナ礼拝堂にも行きましたが、再現度はなかなかのものだと思います。

 

この美術館は、カジュアルに鑑賞できるところもおすすめポイントです。

なにせ全てがフェイクですので。

 

 

 

アドバイス

企画展は避けたほうがいいかもしれない

 実は、美術館は様々な企画展を開催しています。それも注目なのですが、人気のある作家の企画展ともなると、異常に混雑することがあります。むしろ不人気(失礼!)の企画展のときのほうが空いてておすすめです。あるいは、企画展は無視して、常設展だけを見に行くほうが良いかもしれません。それだけでお腹いっぱいになること請け合いです。

 

ミュージアムショップは楽しい

 そこでしか手に入らない美術関連グッズが充実しています。ちょっとしたクリアファイルや付箋紙など、普段使いするものを買ってみるのもよいでしょう。そんなものを使っていて、中学校の先生から「あなたも〇〇が好きなの!先生も大好き」などと話しかけられて仲良くなったという話も卒業生から聞きました。

 

近所の小さな美術館も穴場でおすすめ

たとえば世田谷美術館

用賀駅から遊歩道を歩くと、広大な砧公園の緑地の一画にあります。

もうこのロケーションが素敵です。

所蔵品はこじんまりとしていますが悪くはありません。

公園の散策のついでに立ち寄る、そうした見方がよいと思うのです。

ずいぶん昔ですが、美術館のホールで、ピアニスト加古隆さんのコンサートがありました。とても良かったですね。

 

入館料について

意外と馬鹿にならないのが入館料です。

国立西洋美術館・・・500円(18歳未満無料)

◆国立近代美術館・・・500円(18歳未満無料)

さすがに国立美術館は安いですね。

もっともこれは常設展の料金です。

企画展になると話は別です。1800円(中学生以下無料)と跳ね上がるのでご注意ください。

ということで、国立新美術館は要注意です。入館料は無料ですが、前述したようにこちらはコレクションを持っていませんので常設展というものは存在しません。常に企画展です。その内容で価格は異なりますが、例えばマティス展では2200円でした。

 

その他の美術館は千差万別です。

大塚美術館は3300円! こちらが最高額だと思います。もちろん小中学生でもきっちりと550円徴収されます。
小規模な美術館は安いのが普通です。

世田谷美術館は常設展は200円!です。小中学生は100円となっています。しかし、企画展だと1400円(小中学生500円)となる場合もありますのでご注意ください。

 

ところで、パリのルーブル美術館は22ユーロです。1ユーロ160円とすると、3520円!

高いですね! 18歳未満が無料なのが救いです。

パリまで行ってルーブルを素通りすることなどあり得ないですから、海外旅行客の足元を見みていますね! ちなみに欧州在住の26歳未満は無料です。 最近日本でも海外観光客から入域税のようなものを徴収したり、あるいは料金を高く設定することの是非が議論されていますが、すでに海外では普通に行われています。

そういえば、ロンドンではあの大英博物館が無料です。

その他、自然史博物館もV&A博物館もナショナルギャラリーも無料です。大半の博物館・美術館が無料なのです。

何と太っ腹な!

大英帝国の威信でしょうか?

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