これから6年生になる受験生にとって、小学校の1年間の過ごし方は重要です。
学校行事や内申点について考えましょう。
内申書(調査書)について
まず最も気になるのは、小学校の内申書だと思います。
内申点について・・・公立中高一貫校の場合
もしお子さんが公立中高一貫校を考えているのなら、内申点は重要です。
しかも、これは5年生・6年生の2年間の評価が重要なのです。
計算方法は若干複雑ですので、志望校の募集要項を見て確認してください。
下にあげた表は、私がざっと調べただけですので、不正確です。
※大切なことなのでご自身で直接確認してください
※横浜市立南の場合・・・(適性検査合計点)/200×300+(内申点)/180×100=400点満点
400満点中、内申点を100点満点とする。
例えば、横浜市立南では、通知表の評価をこのように点数換算します。
東京都の公立中高一貫校も一覧表にしてみました。
学校によって、内申点の評価基準が随分異なるのですね。
例えば、富士中の場合、評価2が3つあると、評価3に比べて内申換算点が30点下がります。これは、換算点で20点に相当し、この学校の場合なら1000点満点のうちの20点を意味します。
「なんだ、たった2点か。それなら大したことないな」
そう考える方は、そもそも中学受験を考えてはいけません。
受験は、1点で合否が分かれる世界だからです。
しかも、この内申点については、小学校の方針と担任の先生の胸先三寸で決まるから厄介です。
教えていた生徒の中にも、「この子は小学校でも先生に好かれるだろうなあ」と思わされる生徒がたくさんいました。
◆主要教科は完璧(当たり前ですね、小学校の内容ですから)
◆主要教科以外の科目にも一切手を抜かない(親の方針が立派です)
◆提出物や自主的課題にも積極的に取り組む
◆学校でもリーダーシップをとれる
◆何か特別な役割があると必ず先生から指名されるほど信頼されている
◆担任の先生との面談は、親が褒められに行くだけ
どう考えても、3以外つかないはずなのに、9科目中で3が付いたのは2教科だけ。あとは全て2だったそうです。
「いったい学校の先生はどこを見ているのか?」
謎過ぎます。
この「謎の評価」が中学入試に反映するから、公立中高一貫校の受験はやっかいなのです。
内申点の上げ方・・・公立中高一貫校対策として
嫌なテーマですね。
私立中学受験なら、試験当日のペーパーテスト一発で合否が決まるので、ある意味非常に公平かつ公正です。
しかし、公立中高一貫校を受験するのなら避けては通れない話題なので、まとめてみましょう。
※公立中高一貫校の受験は、「受検」が正しいのですが、私の記事では、私立同様の「受験」で統一しています。「適性検査」と称したところで、中身は合格者と不合格者を振り分ける試験ですから。
(1)小テストは常に満点をとる
当たり前ですね。カラーテストで点を落としているようでは論外です。
(2)副教科こそ手を抜かずに全力で臨む
受験生にありがちなのが、副教科の軽視です。音楽や図画工作・家庭などで手を抜くのです。
しかし、算数の評価も音楽の評価も同等に扱われますので、全力で臨むのは当然です。
(3)親が小学校や副教科を馬鹿にしない
子どもが手を抜くのは、親の日頃の言動が影響しているのです。
「いつまでそんなことやってるの?」
「だって、これ来週学校に提出するものだから」
「そんなの適当にやっておけばいいのよ! それより塾の宿題をやりなさい!」
こんなイメージです。
親の言動は確実に子どもの学習姿勢に反映し、評価がさがります。
(4)担任の先生と良好な人間関係を築く・・・子どもが
本当はこんなことを子どもにやらせたくはないのです。
しかし、全ては内申点のためですので。
先生にとって「理想的な生徒」を演じさせてください。
◆授業中は常に真剣なまなざしで先生を見る
◆先生の説明に、大きくうなずきながら話を聞く
◆級友の発言も、大きくうなずきながら聞く
◆挙手する時には、不必要に自己アピールをするのではなく、まっすぐに右手を上げ、先生の指名を待つ
◆指名された時以外の不規則発言はしない
◆間違っているほかの生徒を批判しない。絶対に!
◆教師の間違いを指摘しない。絶対に!
◆身の回りの整理整頓に気を遣う
◆人の嫌がる仕事を率先してやる・・・掃除当番等
◆たとえわかっていることでも、時々先生に質問に行く
◆他の生徒とトラブルを起こさない
◆忘れ物をしない
◆挨拶はきちんとする・・・交通誘導のPTAの方から、学校ですれ違う全ての先生まで
◆学校のルールは守る
◆ルールを破った級友を告発しない
書いていると、本当にうんざりしますね。
本来、小学校なんて自由に振舞えばいいのです。
それでたまには先生に怒らる。
忘れ物をしてもいいじゃないですか、小学生なんだから。
しかし、残念ながら小学校の先生も人間です。
全力で先生に好かれる「優秀な良い生徒」を演じさせてください。
もしそれが嫌なら、公立中高一貫校だけに絞った受験は止めるべきでしょうね。
※頑張って「出木杉君」を演じたところで、高い評価がつくとは限りません。無駄な努力に終わる可能性は高いです。もうこれは、そういう世界だと思ってあきらめるしかないでしょう。
(5)担任の先生と良好な人間関係を築く・・・親が
別に菓子折りを持っていけとか賄賂を渡せとかいう話ではありません。
小学校の運営に、とくに担任の先生に協力的にしましょう。
子どもに「良い生徒」を演じさせているのなら、親が「良い保護者」を演じることなどたやすいはず。
欠席について
ゼロが基本です。
それでも、どうしても休まなくてはならないとしても、中学校側から見て「納得のいく理由」を作ってください。
◆法事
◆体調不良
理由となるのはこの2つだけです。
もちろん、トータルの年間の休みの日数は、せいぜい5日程度に収めましょう。
10日以内なら許容かな?
だからといって、無理をして学校に行かせる必要はありません。ただ、体調不良だとしても、あまりにも多い休みは、「この子はうちの中学校にきちんと通えるのかな?」という疑念を抱かれてしまいますので。
遅刻について
ゼロが基本です。
というより、ゼロが当たり前で、それ以外はあり得ません。
病院に朝行かなくてはならなくて、といった理由なら別ですが。
決められた時間にきちんと学校に行く。
学校生活の基本中の基本で、それは小学校も中学校も変わりません。
※心身の故障により、朝起きられない子もいるかもしれません。 例えば、起立性調節障害は中学生だけではなく、小学生高学年でも見られるそうですね。 その場合は、私からできるアドバイスはありません。医師の判断に従いましょう。
勉強について
残念ながら、小学校での学びは、中学受験には役に立ちません。
それでも、一つでも何かの学びになるよう、授業は全力集中で臨みます。
理科・社会など、小学校の教科書に載っていた図表が意外に大切だったりしますので。
学校行事について
遠足や社会科見学、修学旅行等、学ぶ機会はたくさんあります。
せっかく日光に生きながら、歴史ときちんとリンクさせられないのではあまりにももったいないですね。
生活習慣について
小学校生活は、生活のリズムを作るのに役立ちます。
早寝・早起きを基本とした生活習慣を作りましょう。
塾との連携
両親とも仕事を持っているため、小学校が終わってから自宅に帰っても大人がいない場合も多いですね。
一人で支度をしてきちんと塾にいかなくてはなりません。
よく聞く話としては、親の目が届かないことをいいことに、塾をさぼっていたというものがあります。
まだ小学生ですから、自分で自分を律することを期待してはいけません。
ほとんど塾には行っていなかったのに、親は1年間気付かなかった、そんな話も珍しくないのです。
「塾も塾よね! 連絡くらいくれればいいのに!」
そう怒っている親の話もよく聞きます。
勘違いしてはいけません。
塾は「託児所」ではないのです。
「来ていない」生徒のケアが仕事ではなく、「来ている生徒」の指導が仕事です。
この場合は、「出欠管理」の厳しい塾を選び、親が積極的に塾に連絡をとるしかありません。
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