中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】一緒に頑張るって何をどう頑張ればいい?

前回の記事で、中学受験を成功に導くための魔法の言葉を紹介しました。

「一緒に頑張ろう」

いったい何を?

どうやって?

今回は具体的な「頑張り方」について書いてみます。

勉強を一緒に頑張る場合

まず誰もが思い浮かべるのがこれですね。

子どもの受験勉強を、親も一緒になって頑張るのです。

親子の学力差によって3パターンに分かれます。

 

(1)親の学力>子どもの学力

親が中学入試問題を素で解いて満点が撮れる場合です。

中学受験を熟知し、圧倒的な学力差があります。

というより、もはやこれはプロレベルです。

子どもの学習に並走することが可能です。むしろ先導することが可能なレベルです。

ただし、親の時間は子どものためにとられますので、プライベートな時間はゼロになります。

どんな問題も教えてくれる存在、導いてくれる存在、横にいてくれる存在。

子どもにとっては心強い限りですね。

 

(2)親の学力=子どもの学力

一般的には一番多いのではないかな?

その場合は簡単です。

一緒に頑張るのです。

塾の宿題も、漢字練習も、計算練習も、入試問題も、子どもと同じ量を頑張ります。

子どもにとっては、まさに戦友のような存在となるのです。

 

(3)親の学力<子どもの学力

中学入試問題といえども侮れません。

ためしに、開成で桜蔭でもいいので、4科目の問題を解いてみてください。

「こんな難しいことをやっているのか!」

「これで点をとるようにならなければだめなのか!」

おそらく、親の学力が子どもの学力(中学入試における)を下回っています。

それは普通だと思います。

子どもと勝負すると、1勝2敗1引き分け、といったあたりではないでしょうか。

国語は勝てるでしょう。

社会科は引き分けかな。公民分野は勝てそうですが、歴史や地理は忘れてますね。

理科は負けると思います。中学受験の理科分野は範囲が広いのです。大学は理系に進まれた方でも、物理・化学は得意だとして、生物や地学はどうですか?

そして算数。たぶん惨敗です。親が方程式をいじっている間に、子どもはスラスラと答えを出していきます。

 

もうこれは、子どもに教えてもらいましょう。

きっと得意そうに教えてくれるはずです。

自分に解けない問題を解ける子ども、自分の知らない知識を蓄えている子ども。

素直に尊敬できませんか?

尊敬は大げさとしても、感心しますよね。

そんな関わり方もあるのです。

 

子どもの支援を頑張る場合

勉強は子どもの仕事。

そう割り切って、支援に回ってもよいでしょう。

適材適所?ですね。

例えば、美味しい食事をつくることに専念する。

例えば、テキストの整理を完璧に行ってあげる。

タレントのマネージャーのようなものかな?

子どもに最大のパフォーマンスを発揮してもらうための助力を惜しまないのです。

ただし、以下のことはきちんと子どもに自覚させてください。

◆自分のために親がこれだけ頑張ってくれている

それがないと、ただの下僕に成り下がってしまいますので。

 

親は親で別の目標のために隣で頑張る場合

中小企業診断士でもFPでも公認会計士でも英検でも危険物取扱でも何でもよいのです。

資格試験にチャレンジしてみましょう。

別に資格試験である必要もありませんね。思い立ってギリシャ語の取得にチャレンジしてみるなんていうのも素敵です。

親が何かの目標のために頑張るのです。

目標は違えど、一緒に戦っているという姿勢を見せてあげましょう。

子どもが一所懸命受験勉強に取り組んでいる隣で、親も一所懸命勉強している。

「一緒に頑張っている」という連帯感が生まれると思います。

 

※仕事はダメ

家に持ち帰った仕事を隣でやるのはやめましょう。

それは違います。

あくまでも「勉強」でないとダメだと思います。

 

 

子どもを一人にしない

 

両親とも仕事が忙しい。

休日も、家に仕事を持ち帰ったり休日出勤することも。

子どもは小学校から帰ると、一人で支度して近所の塾へ。

親がたまにかける声かけは、「どう? ちゃんと勉強やってるの?」

これで子どもの成績が上がると考えるのなら、あまりに「虫が良過ぎる」というか「現実を知らなすぎる」と思います。

 

せいぜい12年程度しか生きていない子どもです。

判断力も行動力も思考力も全てが発達途上です。

 

だからこそ、過酷な中学受験の試練で、一人にしてはいけないのです。

 

「もう放っておいてよ!」

もしこの言葉がお子さんから出るとすると、今までの接し方に問題があった証拠だと思います。

べったりと隣に張り付いて手取り足取り問題を解く手助けをしろと言っているのではありません。

お子さんに並走する存在として一緒に頑張ってほしいと思っています。