みなさんは、日本語の発音に自信はあるでしょうか?
私は東京生まれの東京育ちですので、自分の発音には自信を持ってはいるのですが、時として自信が過信となり、大恥をかくことがあります。
今回は、そんな難しい日本語の発音に関する話題です。
日本語アクセントの種類
日頃、日本語のアクセントの種類なんて気にしたこともないですよね。
普通に話しているだけです。
言語学では、このように分類しているそうです。
◆平板型
◆起伏型
さらに起伏型は、尾高型・頭高型・中高型の3つに分かれます。
①平板型
②尾高型
③頭高型
④中高型
①平板型
これは、読んで字のごとく、アクセントがさほどなく発音されます。
あえていうと、最初の1文字だけが低く、後は平らというかんじです。
「さくら」という単語で考えましょう。
「さくらが咲いた」と発音してみてください。
1音目の「さ」だけが低く、後はフラットになったと思います。
「アメリカ」はどうでしょう?
アメリカに行く。
これが平板型です。
②尾高型
これは、単語の語尾が上がるパターンです。
「おとこ」「いもうと」はどうでしょうか。
「おとこがなく」「いもうとがいる」
発音してみましょう。
おとこがなく
いもうとがいる
なるほど。単語の2音目から上がりますね。そして単語が終わると下がります。
そのまま下がらないと、平板型となります。
③頭高型
1音目が上がります。
「漁業」「ねこ」「ふじさん」
発音してみましょう。
ぎょぎょう ねこ ふじさん
これを例えば「ふじさん」と尾高型で発音してしまうと、「富士山」ではなく「藤さん」という人の名前にしか聞こえませんね。
④中高型
アクセントがに2拍目以降、最後は下がります。
「あなた」「お菓子」「湖」「水遊び」
あなた おかし みずうみ みずあそび
おっと。
私は湖を、「みずうみ」に近い発音で話していました。というよりは、「ず」と「う」を長音のようにして1拍で発音していたようです。「みずーみ」に近い感じでしょうか。
発音としては、かならずしも間違っているとはいえないようですが、正確ではないそうです。
ふだん何気なくしゃべっていると気が付かない誤りがたくさんありそうですね。
アクセントの平板化
私が論ずるまでもなく、ずっと昔から問題となっています。
代表的なのは「彼氏」でしょうか。
本来は「かれし」ですね。
それが今や、「かれし」ですから。
★外来語の平板化
ドラマ→ドラマ
マネージャー→マネージャー
リハーサル→リハーサル
トレーナー→トレーナー
ギター→ギター
まだまだありそうですね。
また、パンツなど、パンツ パンツ と発音が変わると意味が変わるものまであります。
役立つ本
ここで、私が愛用している本を紹介します。
NHKが出版している、「日本語発音アクセント辞典」です。
これは1998年版ですが、今は2016年版が新版です。
この辞典を開くと、69000語もの単語の発音がただただ並んでいるのです。
標準語の指標とされるNHKアナウンサーのバイブルなんだそうです。
子どもたちが話すのを聞いていると、かなり怪しい発音が飛び交っています。気が付けばその都度指摘はしてあげています。
推測するに、大人との会話量が少なくなったことが原因なのでしょう。また、スマホの普及も、会話量の減少を招いていると思われます。
レストランの家族連れを見ると、料理が運ばれてくるまでの間、各自がスマホの画面をのぞき込んでいる光景など珍しくなくなりました。
これでは子どもが正しい日本語の発音を学ぶ機会がますます失われてしまいます。
多様性を重んじる時代、方言の多様性も評価されてきていることは承知しています。
しかし、きれいな標準語を話せることは、今後ますます重要になってくると思っています。
言葉に関するこの記事もぜひお読みください。