中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

中高一貫校の中1生必見!夏休みを有効活用するための過ごし方5つのヒント

待ちに待った夏休みです。

中学受験を生き延び、希望の中学で楽しく過ごしていることでしょう。

夏の遊びの計画も目白押しだと思います。

そんな楽しみに水をさすような話題で恐縮です。

今回は、この夏がいかに大切かについてお話します。

学校の合宿と家族旅行は行ってもよい

おそらくは部活に入ったことだと思います。そして、すべての部活で、この夏には合宿が組まれていることでしょう。

これは参加しなくては。

クラブ活動は中高一貫校の学校生活の花形です。

高校受験で区切られない中高一貫校だからこその部活です。

また、家族旅行を計画されている方も多いと思います。

「ご褒美ハワイ旅行」とか?

これも、行きましょう。いずれ学校が忙しくなり、そのうち大学入試も近づきますので、家族旅行の機会というものはそんなに多くはありません。

行けるときに行くべきだと思うのです。

しかもせっかくの旅行ですので、そこに「勉強要素」など不要でしょう。

単に楽しめばよいと思います。

 

友達との遊びは要注意

もしかして、仲の良い友達が大勢できたかもしれません。

A子は、クラブの先輩にもよく誘われるようになりました。

◆ディズニーランド

◆カラオケ

◆原宿

◆新大久保(韓流好き?)

◆聖地巡り(アニメの舞台をめぐるとか、そんなものだそうです)

アニメイト

◆映画

他にもいろいろ言っていましたが、もうとにかく忙しくて、そしてお金がなくなるそうです。

毎日のように夜まで遊び歩いているとか。

 

また、良家の子女が多い? と評判の大学付属中に進学したB太は、ファッションに目覚めました。友達と服を買いに行くことがとても多いそう。しかもそうした遊び友達の多くは、ご家庭が会社経営であったりするそうです(つまり学校の成績はあまり気にしていない?)

 

断言できます。

 

A子もB太も、このまま行くと、確実に落ちこぼれます。

 

実は、中高一貫校には3種類の生徒がいます。

 

①東大・医学部を目指して塾(鉄緑会等)に入り全力疾走で勉強している生徒

②学校の課題を120%の力で取り組み、学校の成績トップレベルを維持する生徒

③赤点すれすれ(あるいは赤点以下)の成績で追試の常連

 

もちろん大多数は、②と③の間の生徒たちです。

6年間のマラソンをイメージします。

レースがはじまったばかりの1年生の1学期は、生徒の集団も団子状態です。

でも、その中から、上位グループが形成されつつあります。①と②の生徒たちですね。

成績が低迷して赤点をとってしまった生徒達もいますが、まだ完全に集団から引き離されたわけではありません。

しかし、このまま1年もたつとどうでしょう。

先頭集団と多数派の間にどんどん距離が開いてきます。

さらに、明らかに「落ちこぼれ」てしまった集団もまた、多数派の間に距離が開いてきました。

もっとも①の生徒達の中から、上位グループから先頭集団へ移行できない生徒が必ず出ます。授業中に教師の話を聞かずに塾の宿題を内職しているような生徒たちです。学校の学習をおろそかにし、そして塾の学習もこなせない生徒たちですね。

 

前述したA子もB太も、確実に「落ちこぼれ」集団へまっしぐらです。

そして残念ながら、いったんそこに落ち込んでしまうと、もう先頭集団に行くことはほぼ不可能です。

勉強は蓄積です。

先頭集団に追いつくためには、先頭集団以上の勉強が必要になります。

それは無理ですね。

だからこそ、せめて先頭集団が見えているポジションをキープしなくてはならないのです。

上の図でいえば、いるべき場所はもちろん先頭集団です。

先頭集団のさらに先頭に行くことは困難です。とくに難関校ともなれば、青天井に優秀な生徒が必ずいるのです。

でも、先頭集団の中になんとか食らいついていってほしいと思います。

 

先頭集団にいることが難しいとしても、せめて真ん中の集団の先頭にいてほしいと思います。

先頭集団の後ろ姿がまだ見えています。

もうそこに追いつくことは難しいとしても、この位置は死守してください。

 

中学受験に臨む6年の生徒にはよくこういいます。

「あのキラキラとした素敵な夏休みは今年は無い。しかし、来年、そうした夏休みが待っている」

それは事実ですが、だからといって「勉強しなくてよい夏休み」であってはならないですね。

 

夏休みの過ごし方5つのヒント

その1:遊びに行く回数を決める

せっかくの中高一貫校最初の夏休みです。

友達(や先輩)と遊びに行くな! などと野暮なことはいいません。

しかし、回数の制限は重要です。

第一、そんなに遊び歩く資金はどこから出るのでしょう?

中学1年生のお小遣いの平均額は2500円くらいだそうです。

仮に3000円だとしても、3回ランチすれば無くなる金額です。お年玉等を投入したところで、毎日遊び歩くには足りないでしょう。

ということは、A子やB太のケースは、「遊んでばかりいないで勉強しなくて大丈夫なの?」と言いながら、親がお金をあげているのですね。

問題外です。

夏の間の遊びは、せいぜい週に1回程度、それくらいが適量でしょう。

例えば7回。そう決めて、きちんと守らせることが重要だと思います。

 

その2:塾には頼らない

中学生用の塾のほとんどは高校受験用です。これは行く意味はありません。

中高一貫校生用の塾もあります。その多くは、独自のカリキュラムで英語・数学を先取りさせます。

学習に余裕があるのならよいのでしょう。そうでないのなら、逆効果です。

勉強=塾に行く

中学受験で刷り込まれてしまった行動様式ですね。中高一貫校生はそうではいけません。

自分自身で学習計画を立てましょう。

 

その3:基礎英語をやる

ほとんどの中学で、NHKの基礎英語を課題としていたはずです。しかし、きちんと取り組んでいる生徒は多くはありません。こうした毎日のルーティンの勉強は、面倒くさいですからね。2・3日でもさぼってしまうと、もうやる気がなくなります。

しかし、最近の「基礎英語」を聞いたことはありますか?

なかなか良くできています。

そこで、この夏休みは、4月号からの教材と音源を用意して、徹底的に復習をしましょう。

 

その4:数学参考書を1冊用意する

中高一貫校といえども、中1の数学はそんなに難易度も高くはありません。ただし公立中学よりはスピードは速いです。

中1・中2の2年間で公立中学3年間分の数学を終わらせ、中3から高1内容の「数1・数A」を扱うのが標準的なスピードです。

ということで、この夏休みは、中1の範囲を全て終わらせる計画を立てるとよいでしょう。

一般的な公立中学生用の教材なら、書店でいくらでも手に入りますので。

もし学校のほうで使っている問題集がたくさんあり、やる問題に困らないのであれば、それをやるだけですね。

 

その5:実は理社が大事

中学受験のときの理社の貯金がそろそろなくなってきます。

多くの私立中学では、学校の先生が独自のプリントで授業をすすめるため、高校レベルの内容を扱うことも普通です。

大学受験用の参考書・問題集が必要かもしれません。

 

 

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